自営型テレワークの仕事例
(Vol.24)アノテーション

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仕事・家事・育児が同じ場所でできる
自営型テレワークのメリットを自宅で享受

渡邉さやかさん

アノテーションとは

アノテーションとは、AI(人工知能)が精度を高めるための学習に用いるデータに、タグやメタデータを関連づけ、「意味」や「ラベル」の付与を行う業務。画像や動画、音声、テキストなど、さまざまなデータを確認し、決められたルールに沿って作業をしていく。特別な経験やスキルは不要で、初心者にも取り組みやすい作業が多いが、仕様書を正確に読み取り、同じ作業をコツコツ積み重ねる根気強さが求められる。

  • プロフィール渡邉 さやかさん

    自営型テレワーカー歴:3年半
    職種:アノテーション・データ入力
    収入:5~6万/月
    前職:広報・IR(小売業)
    ワークスペース(仕事をしている場所):自宅リビング
    PC環境:Windows11(ミニPC)、Microsoft 365 Personal

  • 1日あたりの業務時間
    (目安)

    5~6
    時間

  • 1週間あたりの業務日数
    (目安)

    4~6
    日/週

自営型テレワークを始めたきっかけ

新卒で入社して以来、IR業務を担当してきた渡邉さん。上司のサポートや株主向け資料の作成、対外的な情報発信など、事務作業を中心にキャリアを積んできた。
子どもが小学生になったころ、子育てとフルタイム勤務の両立が難しくなった。学童保育の延長や、タクシーを使った送迎サービスなども利用したものの、「ここまでして働き方を維持する意味があるのだろうか」と考え、退職を決意。コロナ禍ということもあり、自分の資産の棚卸しや、「自宅」で過ごす意味を考え直す時間を持った。
そんなとき、自治体が開催する自営型テレワークセミナーに参加した。「次の仕事も決めていないし、業界研究のつもりで1年だけ試してみよう」と軽い気持ちで話を聞いたが、これがきっかけとなり自営型テレワークの世界へ踏み出すことに。渡邉さん自身が感じた自営型テレワークの魅力は、「家事・育児と両立しやすいという点だけではなく、自宅を1日中、有効に活用できる働き方だということ」だった。

発注者と仕事内容

渡邉さやかさん

自営型テレワーカーとして最初に受注した仕事は、「文字起こしとタグ付け」のアノテーション業務。動画の音声を文字に起こしつつ、笑い声や咳といった「話し言葉ではない音」にタグを付けていき、AIの学習用データを作成するという内容だった。渡邉さんは「アノテーションという言葉はこの仕事で初めて知りましたが、エンジニアではない自分でもAIの開発に関わることができることに魅力を感じました」と話す。

その後現在に至るまで、画像・動画・音声・テキストなど、さまざまなデータのアノテーションを経験してきた。案件にもよるが、アノテーションは緻密さが求められ、地道で根気のいる仕事。もともと事務作業が得意で、「決められたルールに沿って正確に進める作業が苦にならない」渡邉さんにとっては、性に合っている業務だった。

一方で、アノテーション業務の案件は単発のものも多く、募集が少ない時期には1〜2か月仕事がないことも。「仕事が途切れないよう、自営型テレワーク発注企業が出展するマッチングイベントに参加して、アノテーション業務を取り扱う企業を探し、複数の仲介事業者に登録しました」(渡邉さん)。現在は、仲介事業者の案件に応募したり、担当者から直接オファーを受けたりしながら仕事を確保する体制を整えている。

自営型テレワークを始めてよかったこと・困ったこと

よかったこと
移動時間がないため、一日の時間の使い方や気持ちに余裕ができる。
子どもの学校行事や個人的な予定に合わせ、時間単位で柔軟に調整できる。
会社員時代は寝るだけの場所だった自宅を、仕事の場として終日有効活用できている。

困ったこと
業務に関するやりとりが全てテキストベースのため、読解力や文章力がないと、意図や認識の食い違いが発生しやすい。
運動不足になりやすいので、生活改善を意識する必要がある。

自営型テレワーカーとして心がけていること・今後の展望

渡邉さやかさんオン・オフの切替は1年の中でメリハリをつける

「私が受けている案件はチームで対応しているものがほとんどなので、プロジェクト全体に迷惑を掛けないためにも、納期は厳守しています。受注業務は常に自分の力の7~8割に抑え、余裕をもって仕事を進められるよう心がけています」(渡邉さん)。 
また、作業要件に沿った成果物を納品できるよう、作業仕様書を細かく読み込み、不明な点は積極的に確認をとる。渡邉さんは、「時間を掛ければ良い成果物はできますが、出来高制の案件なので、品質は落とさずにいかに早く作業できるか腕の見せどころと思っています」と話す。
長時間パソコン画面を見続ける仕事のため、体調が悪いときや集中力が明らかに落ちていると感じるときには思い切って休みを取り、翌日にパフォーマンスを取り戻すことも一つの方法だという。

オン・オフの切替については、「日々きっちり分けることより、『稼ぎどきとしてしっかり働く月』と、『プライベートを重視する月』を自分なりに決めて、1年の中でメリハリをつける工夫をしています」と、渡邉さん。夏休みに親戚同士で集まりアクティビティを楽しんだりすることもあるそうだ。
「以前は、仕事・家事・育児の両立は限界があり、それぞれをどこかで犠牲にしたような生活スタイルでしたが、今は同じ空間で仕事・家事・育児が行えているので、この働き方のメリットを享受しています」と話す渡邉さん。今後は、アノテーション業務に加え、現在増えつつあるプロジェクトの管理業務や、事務作業の経験を活かせるバックオフィス業務などに携わりつつ、出会った仕事の中から自分に合うものを見極め、広げていきたいという。

最後に、これから自営型テレワーカーを目指す人へのアドバイスを聞いた。「働き方のスイッチング先として自営型テレワークという手段を持っておけば、子育て・介護・引っ越し・自身の体調などの制約が将来起きても自分のペースで仕事を続けられるので、キャリア形成にも役立つと思います。どのようなきっかけでいつ始めても遅くはないと思いますし、飛び込んでみて初めて出合える仕事(業種)もあるので、私のように、お試しのつもりで始めても、意外と長く続けられるかもしれません」(渡邉さん)。

1日のタイムスケジュール

  • 6:30起床
  • 7:00朝食
  • 7:30子どもの送り出し、家事など
  • 8:30~9:00仕事開始
  • 12:00昼食
  • 13:30仕事再開
  • 18:00家事(夕食作りなど)
  • 19:00夕食
  • 20:00自由時間・就寝準備
    ※忙しいときは仕事
  • 22:30就寝

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