動画編集とは
動画編集は、絵コンテや脚本などに沿って、映像や静止画などの動画素材をパソコンソフト等でつなぎあわせ、音楽やテロップなどの加工をして、1本の動画を作り上げる作業。CMをはじめとした企業PR動画から個人がSNS等で発信する動画まで、求められるスキルや納品物の完成度の幅が広い。スマートフォンのアプリを利用できるので未経験者でも始めやすいが、納品物によって、基本的な編集作業だけでなく、デザインや音楽、シナリオ作成など複合的なスキルが求められる。
自営型テレワーカー歴:1年半
職種:動画制作
収入:10万円~/月
前職:ハウスクリーニング業
ワークスペース:自宅、会社
PC環境:windows 10 (デスクトップとノートパソコン)、
Adobe Premiere Pro/After Effects/Photoshop/Illustrator
7
時間/日
5
日/週
「前職は勤務時間が不規則で、体力を要する仕事だったので、長く続けるのは難しいと思っていました」と高田さんは話す。コロナ禍で仕事が減ったこともあり、転職を考えて自治体の女性向けキャリア相談窓口を訪ねたそう。そこで、「自営型テレワーク」という働き方を初めて知ったという。同自治体主催のセミナーに参加し、実際に自営型テレワーカーとして活躍する先輩や、これからなろうとする人たちと出会えたことで、「自分もこの働き方にチャレンジしてみたい」という気持ちになった。「今はインターネットで調べればいくらでも情報は得られますが、それだけではなかなか行動にまではつながらない。実際にセミナーに出かけ、人に出会ったことが最初の一歩になりました」
セミナーでは、自営型テレワークにはどのような仕事があるのか、どうやって仕事を得るのか等を具体的に学んだ。ちょうど1か月先に企業とのマッチングイベントがあると聞いて、その日に照準を定め、名刺や自己PR書、ポートフォリオ用の作品の制作を始めた。「私はもともとブログを書いたりWebサイトを見よう見まねで作ったりしていましたが、セミナーで仕事の説明を聞くうちに一番やりたいのは動画編集だと気付き、有料のオンラインセミナーで勉強して、短期集中で動画作品を作りました」と高田さん。マッチングイベントではその作品を見せてプレゼンをし、数社から仕事を得て現在に至る。
高田さんはある動画制作会社と、週に3日出勤という条件で雇用契約を結び、その傍ら、他社からも業務委託で仕事を請け負っている。
雇用契約先の企業では、「通い始めた当初は、指示された作業をするだけの簡単な仕事しかできませんでしたが、出社して制作現場を間近に見ながら仕事をすることで、各段に知識とスキルがアップしました。今では、動画の編集から撮影助手、動画の企画・構成、ディレクションまで手掛けています」と高田さん。もともとはバンド活動をしていたという音楽好きでもあり、効果音や動画に使用する曲も作れることは高田さんの武器となっている。「動画の仕事って、編集だけでは食べていけない。撮影や構成、ディレクションまででき、さらには簡単なアニメーションや音楽など、編集まわりの様々なスキルがあれば仕事の幅も広がるし、報酬単価も高くなります。私もいずれは撮影ができるようになりたいですね」
よかったこと
自分の好きなこと、得意なことを活かす仕事ができている喜びがある。
前職よりも規則正しい生活ができるようになった。
仕事以外の自分の時間を好きなことに使える。
困ったこと
動画編集という仕事が好きなので、つい仕事をしすぎてしまうこと。
(24時以降は仕事をしないと決めたり、強制的に仕事を中断してウォーキングをするなどして気をつけている)。
パソコンに向かって作業をすることが多いので、運動不足になりがちなこと。
「お客様(発注者)に対しては、メールの返信は早めに対応することを基本にしています。また、依頼事項については、齟齬がないよう十分に相手の話を聞き出すよう心掛け、納品時のチェックは入念に行います」と高田さん。また、ただ言われたとおり制作するのではなく、「こうしたほうがより効果的になる」と、プラスアルファの提案も心掛けているそうだ。さらに、自身のスキルアップのための勉強も怠らない。YouTubeや動画制作者のコミュニティで勉強をしたり、他の人が作った映像や、映像以外のクリエイティブなものに触れることで感性を磨くよう努めてもいる。「私はもの作りが好きなんです。今は依頼を受けて動画編集をしていますが、最終的には自分発信の作品を作りたい。そういう気持ちで日々スキルを磨きながら仕事をしています」
仕事づけの毎日にならないよう、趣味の時間も意識的に作るようにしている。高田さんの楽しみは自動車レース観戦。「実家が鈴鹿なので、子どもの頃からレースが身近でした。レース観戦のときは日常を忘れて没頭しますね。現地に行くのはたまのご褒美。普段はテレビ観戦を楽しんでいます」
最後に、自営型テレワーカーを目指す人へのメッセージを聞いた。「最初から自営型テレワーカーとして大きな仕事をしなければと身構えず、小さなことからトライすることで、やりたいことや必要なスキルなど見えてくるのではないでしょうか」と高田さん。「情報収集をするだけで足踏みをしていても、実際に動かなければ前に進めない。自営型テレワーカーとして仕事が『できる』『できない』ではなく、自分の意志次第だと思います」
自営型テレワークの仕事例
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