コールセンター業務とは
コールセンター業務は、インバウンドコール(受信業務)と、アウトバウンドコール(発信業務)に大別され、それぞれ業務内容が異なる。インバウンドコールは顧客等から問合せを受け、問題を解決することが主業務となるため、相手に寄り添い正しく要望を把握するスキルを求められる。アウトバウンドコールでは自ら顧客等に電話をかけて、企業からの確認、商品・サービスや製品の案内を行うことが主業務となるため、営業的な要素が含まれることが多い。近年はパソコンと連動させたコールシステムの利用が増え、自宅で業務を行うことが容易になってきている。
自営型テレワーカー歴:1年7か月
職種:コールセンター業務
収入:1万円/月
前職:旅行業
ワークスペース(仕事をしている場所):自宅リビング
PC環境:ノート型PC、Windows11、Microsoft 365 Personal
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時間/日
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日/週
「結婚・出産で会社を退職し、専業主婦をしていましたが、周りの友達がばりばり働いている姿を見て、私も働きたいとあこがれを募らせていました」と佐藤真希さん。あるとき幼稚園で、地元神戸市主催の自営型テレワーク関連セミナーの案内を見つけ参加した。また仕事ができるかもしれないという期待に、「とにかくワクワクしたのを覚えています」と振り返る。
セミナーの第1ステップでは、入門セミナーで自営型テレワークという働き方を知り、第2ステップでは事務代行のスキルを学んだ。その後、仲介事業者に登録し、ワーカー募集があれば応募するという日々を繰り返したが、「なかなか仕事が得られなかった」と佐藤さん。「夫には、諦めて外勤の仕事を探したらと言われましたが、私はなぜ採用されないのかを考えました」。考えた結果、応募書類の自己PR欄に、自分がこの仕事をしたい理由や、将来の目標は何かを詳しく書くようにしたという。「すると、単発の仕事がぽつぽつと入ってくるようになり、実績を積むうちに、継続の仕事もいただけるようになりました」(佐藤さん)。
最初の仕事は、仲介業者を介して受注した音声認識AI(人工知能)のラーニング用の音声を録音する業務。その後、収入を少しでも安定させていきたいと思い、登録メンバーのトライアルを受け、コールセンター業務を開始。さらに、事務代行業務や、自営型テレワーカー育成のためのメンター業務など、少しずつ仕事の幅を広げている。
「コールセンター業務は顔が見えない状態でのご案内になるので、言葉使いや話すスピードなどを相手によって変えるようにしています。でも、以前よかれと思ってゆっくりお話をした際、早く話してと言われたことがありました」(佐藤さん)。会話の中から相手の要望をキャッチアップしつつ、共通スクリプトをもとに「より伝わる内容」を目指し臨機応変に対応しているのだそう。
「会社員時代は、言われた仕事をするだけだった」という佐藤さん。それに対し今は、「自営型テレワーカーは個人事業主なので、すべてが自己責任。どうすればより効率よくより質の高い仕事ができるか、自分の頭で考えて工夫できるのがとても楽しい。お仕事をくださるクライアントさんには感謝しかありません」と語る。
悩ましいのは、まだ幼い子どもたちが幼稚園から帰るといっしょに遊びたがること。そんな時は、「このメールを送るまで待ってね」と声をかけ、きりのいいところで思い切ってパソコンを閉じ、子どもが寝てから残った仕事をするそう。zoom会議中やコール業務の時は、「話していいと言うまで話しかけてこないでね」と約束し、子どもたちに理解してもらっている。「仕事を続けられるのは子どもたちの協力のおかげです」。
また、夫の協力も励みになっているそう。
「私が自分の目標を示して、それを達成してからは応援してくれるようになりました。夫の理解あっての仕事なので、感謝していますし、それを言葉にして伝えるようにしています」(佐藤さん)。
よかったこと
時間の融通が利くこと。
子どもたちの行事への参加や、自分の趣味の時間も確保しやすいこと。
仕事は子どもたちの寝ている間にする、など自分で采配できること。
帰省先でも仕事ができること。
困ったこと
zoom会議やコール業務などを行う際に、子どもの声が入らない環境を作ること。
やりがいのある自営型テレワークだからこそ、つい仕事をやりすぎてしまうこと。
発注者に対しては、「曖昧な理解はミスを招くことがあるので、少しでもわからない点があれば積極的に聞くよう心掛けています」と佐藤さん。また、納品物のチェックの際には「『必ず間違いがある』という気持ちで厳しくチェックする」のだそう。また、納期に絶対遅れないよう、卓上カレンダー、手帳、スケジュールアプリを使ってトリプルチェックをしているという。
自分自身のスキルアップについても意識している。まずは、何事にも興味を持つこと、同業の他のワーカーさんと情報共有をして、よい点はすぐに取り入れること、そして、これまで苦手だと敬遠していたことについても、チャンスがあればセミナーを受講し、新たな興味や発見を広げていくよう心掛けているそうだ。
よい仕事をするためにはオフの時間を充実させることも重要。佐藤さんは、趣味も未知のこと、苦手なことへの挑戦の場ととらえ、庭の手入れや、パン・お菓子作りにチャレンジしている。「最初はあまり好きでなかったことも、やっているうちに楽しくなってくるのが嬉しい」と笑う。どこまでも挑戦好きなのだ。
今後については、「私も市の無料セミナーで自営型テレワーカーのことを知り、仕事を始めることができました。今がとても楽しいので、この楽しさを他の人にも知ってもらいたい。キャリアをあきらめないでほしい。そのために、何かできることがあればぜひ貢献したいと思っています」と目を輝かせて語ってくれた。
最後に、自営型テレワーカーを目指す人へのメッセージを聞いた。「自営型テレワークは特に資格がなくても始められますし、自分の趣味が仕事につながることもあります。最初からやりたい仕事を探すというよりは、やれる仕事から初めてはどうでしょうか。私もまだ自営型テレワーク歴は浅く、仕事をしながら勉強をしているのが現状です。実践を積むことがスキルアップにつながるので、まずは始めること。そして知らなかったことを知る楽しさを感じながら、ご自身のペースで挑戦してみてください」
仕事の見つけ方として、いいヒントもいただいた。「前職の上司に、『自営型テレワークを始めました』と年賀状を送るとすぐに電話をいただき、後にその方からコールセンター業務のお仕事をいただきました。小さなことですが、自分がやっていることを積極的に宣伝することも大事だと思います」
自営型テレワークの仕事例
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