Webディレクターとは
Webサイトに関わるさまざまな業務において指揮をとる仕事。Webサイトの企画立案、クリエイティブ視点での問題解決、Webサイトリリース後の運用管理、営業まで、その役割は多岐にわたる。クライアントの要望をくみ取りながら、デザイナーやプログラマーなど制作に携わる多くのメンバーと業務をともにするため、Webサイトにまつわる基本的な知識だけでなく、コミュニケーション力、進行管理力、統率力が求められる。
自営型テレワーカー歴:5年
職種:Webディレクター
収入:非公開
前職:法人営業
ワークスペース(仕事をしている場所):自宅仕事スペースやコワーキングスペース
PC環境:Mac、Windows11(ノートPC)
8
時間
5
日/週
新卒で入社した外食産業から数えて、8社もの企業でさまざまな経験を積んできた原さん。接客・販売、PCのユーザーサポート、PCのテスター。次いで4社めのITベンチャーで携わったWebディレクターの仕事が、今も軸になっている。「今と違ってテレワークのしくみが整っていなかったので、結婚や家族の転勤で辞めざるを得なかった職場もありました」と、原さんは話す。2017年に出産し、家事育児に専念していたが、子どもが1歳になるころ「また働きたい」と考えるようになり、たまたま見つけた自営型テレワーク関連のセミナーに参加した。「パソコンを使って自宅で仕事をするという働き方なので、自分にもできるかもしれないと思い、近所の家電量販店で早速パソコンを購入しました」(原さん)。これが、自営型テレワークとの出会いだったという。
自営型テレワーカーとして初めて受注したのは、データ入力業務。前述の自営型テレワークセミナーを開催した仲介事業者からの依頼だった。「最初は作業ペースがつかめませんでしたが、だんだん在宅での仕事に慣れてきました。その後、クラウドソーシングサイトや他の仲介事業者に登録して、複数のクライアントから仕事を請けるようになりました」と、原さんは話す。「クラウドソーシングサイトで仕事探しをするうちに、自分のWebディレクターという経歴を評価してくれる企業があることに気づいて、次第に自営型テレワーカーとしてWebディレクターの仕事を請けるようになったんです」。
自営型テレワークを始めてから5年、現在、原さんは、Webディレクターで2社から、SNS運用で1社から、いずれもクラウドソーシングサイト経由での業務を請け負っている。さらに、週に2回パートタイムの出勤で大学の秘書業務をこなす多忙な毎日だ。
「Webディレクターの仕事ではポータルサイトの運営をしています。コンテンツの企画や情報の更新、アクセス解析まで行っているので、同時進行するすべての業務を滞りなく管理するのが課題です」と、原さん。スケジュールはタスク管理ツールを利用して逐一チェックし、SNS運用の仕事は週末に集中して行うなど、作業時間をやりくりしているという。
「SNS運用は未経験でしたので、未経験可の求人から応募しました。画像の制作が必要になりますが、デザインスクールに通った経験があるので役立っています。SNSで使うプラットフォームも複数あり、わからないことも多いのですが、クライアントの若い方たちがとてもよくご存知で、勉強させてもらっています」(原さん)。
いずれも、常に複数の担当者と滞りなくコミュニケーションをとるのがスムーズな進行のポイントなのだそうだ。
よかったこと
ライフステージの変化など環境にとらわれずに仕事ができる。
スキルやこれまでの経験が重視される。
困ったこと
契約終了とともに仕事がなくなるので、複数案件を受注するなどの対策が必要。
スケジュールが気になり、仕事のことを考える時間が多い。
自宅で作業することが多いので、運動不足になりやすい。
また、情報収集も欠かさない。「コンテンツの企画は私のセールスポイントのひとつでもあるので、インターネット、テレビ、雑誌など、エンターテイメント要素があるものはいつでもチェックして、情報収集を欠かさず行っています」(原さん)。SNSについても同様で、「ニュースで流行りのものを見て、これはSNS運用で使えるかも、と頭をめぐらせています」と話す。
そんな事情から、現在の原さんはきちんとオンオフを切り替えるというより、ふんわりと時間を使い分けている状況だ。「もう少しメリハリをつけたほうがいいかもしれませんが、今は情報取集もスキルアップのうち。足りない知識を補うための勉強と考えています」(原さん)。日々の情報収集に加え、業界イベントに参加してレポートを書いたり、時間があれば関連する英語の書籍に目を通したりと、余念がない。「1年半ほど前、業務の幅を広げようと思いデザインスクールに通いました。そこで学んだことを、SNS運用業務で活かせています」と、原さんは話す。
とはいえ、子どもとの時間は特別。日々向き合って話をしたり、ときどきは旅行に行ったりして気分転換の時間をとっている。
オフには家族と旅行にでかけて気分転換も
企業によってはWebディレクターに求める守備範囲が異なるケースもある。「私はもともと実作業をせずディレクションのみでやってきたので、サイト制作についての知識が足りないと感じています。自分が実際に携わらないとしても、デザイナーさんやプログラマーさんと話すときの共通言語を増やしたいので、今後は制作の勉強にも力を入れたいと考えています」(原さん)。Webディレクターとして経理担当者と話す機会もあり、大学の秘書業務で得た知識が役立つこともあるそうだ。
最後に、これから自営型テレワーカーを目指す人へのアドバイスを聞いた。「私自身がそうでしたが、自営型テレワークに役立つ経験は、仕事だけではなく、趣味や子育てや、自分の生活の全てだと思います。自分がこれまでしてきたことや身の回りを見つめ直すことで案件に結びついていくので、まずは自分自身の棚卸をして、未経験だからとあきらめずに取り組んでいただきたいです」
自営型テレワークの仕事例
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