株式会社トリトメ
事業概要
システム開発、コンサルティング、イベント企画/運営・市場調査/広告宣伝に関するサービス業務株式会社トリトメは、大手システム開発会社から独立したSE、プログラマーなど3人のメンバーで2015年に設立された、スマホアプリやITシステム開発・運用などを手がける会社だ。創業メンバーの1人である美崎さんは、「会社を設立して間もないころ、当社取締役のエンジニアが家庭の事情で地方の実家に帰らなければならなくなりました。当時はまだリモートワークがそれほど普及していませんでしたが、必要に迫られてリモートワークを実施したところ、パソコンとインターネット回線さえあれば場所にこだわらずどこでも働くことができることがわかりました」と話す。
これをきっかけに自営型テレワーカーを少しずつ活用するようになったが、軌道に乗るまでは、チャットツールの活用や毎朝の定例ミーティングによる進捗確認など、リモートでも滞りなく仕事を進める方法を試行錯誤したという。
その後、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが世の中に広がった。同社の取引先もリモート会議の利用が広まり、一度も対面することなくオンラインだけで営業をするスタイルが当たり前になってきた。「これは自分たちにとってチャンスかもしれないと思い、一気に自営型テレワーカーの活用を広げていきました」と、美崎さん。
そもそもシステム業界は、エンジニアやプログラマの人材不足に悩まされてきた。同社では過去に、国内の人材だけでは足りず海外の人材をエンジニアとして教育し仕事を発注してきた経緯もある。
「場所にこだわらなければ、優秀な人材は全国から確保できること、リモートでも支障なく仕事ができることは、それまでの経験でわかっていました。現在、当社と取引している自営型テレワーカーは全国に広がっています。国内だけでなく、家族に帯同して海外で仕事を受けている女性もいます。子育て中、介護中など、フルタイムで働けない人や副業をしたい人など、男女を問わず様々な人が働いてくれています」(美崎さん)。
自営型テレワーカーは、主に人づての紹介や、マッチングイベントへの出展により採用している。美崎さんは、「採用の際、トライアルテストは行いませんが、最初は簡単な仕事を発注してその人の特性や専門スキル、基本的なビジネススキルを見ています。特に、コミュニケーション力や納期を守れるかどうか、メールの返事は早いかといった点は注視しています」と話す。
受発注の連絡にはメールや電子契約サービスを使用。日々のコミュニケーションや進捗管理にはビジネス用チャットツールやプロジェクト管理ツール、オンライン会議ツール、スケジュール管理ツールを使用し、リモートでも共有できるよう徹底している。自営型テレワーカーとの対面でのやりとりは、現在は行っていないが必要に応じて検討中だという。
発注業務はシステム開発、システムのテスト、営業などが中心。今後はプレゼン資料の作成やグラフの作成、データ分析、プロジェクトの進行管理等にも広げていく考えだ。「円滑な業務を行うために、日次ベースでオンラインのミーティングを行い、進捗報告や作業内容の割り振りを行って、ワーカーの皆さんが問題をため込まずに解決できるようにしています」と、美崎さんは話す。「今後の深刻な人材不足を考えると、働き続けていただくことが大事です。自営型テレワーカーは孤独になりやすいので、1人で悩まないよう仕事のこと、キャリアのことなど、何でも相談できる相談員を配置しています」。この相談員も自営型テレワーカーだという。
「自営型テレワーカーの報酬については、簡単なジョブディスクリプション(職務内容を記述した文書)を作成し、その内容とワーカーのスキルを勘案し、話し合いの上で金額を決めている。
「成果物や納期、報酬でのトラブルを未然に防ぐためには、最初に自営型テレワーカーと条件について十分に話すことが大事です」と、美崎さんは話す。その際に、会社側の条件や要求を先に示すのではなく「あなたはどのような働き方をしたいですか?」「どういう条件なら働けますか?」と、自営型テレワーカーから希望を引き出すことがポイントだという。「事前に話し合うことで、後になって『こんなはずではなかった』という行き違いが起きにくくなります」(美崎さん)。その他、情報漏えいなどのトラブルに備えて、eラーニングによるセキュリティ教育を行っている。
「同社では、今後も自営型テレワーカーを活用していく考えだ。人数を増やすだけでなく、業務の範囲も拡大していくという。「世の中が変化していく中で、同じ事業だけを続けていても生き残ることはできません。自営型テレワーカーの力を借りて、これまで自社だけではできなかった事業にも手を広げていきたいですね」(美崎さん)
企業では、本業以外の作業や、ある時期だけ一時的に発生する作業があります。これらに社員だけで対応しようとすると、時間が奪われ社員の負担になってしまいます。自営型テレワーカーを活用すれば業務の一端を担ってもらえるだけでなく、ビジネスのアイデアやヒントを得られることもあります。作業を依頼する側も、時代に沿って意識やスキルをアップデートしていく必要があることを心得て、自営型テレワーカーをビジネスのパートナーととらえ、ともに成長できる関係を築いていくという意識が大事だと思います。
※ 掲載情報は、2024年10月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における自営型テレワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と自営型テレワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
自営型テレワーカーへの発注企業事例
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