ボーダー株式会社
事業概要
海外出張手配・管理サービス「BOREDER」の企画・開発・運営・販売ボーダー株式会社は、2016年、インターネットを利用した海外出張に関するサービスの提供を軸に事業をスタートした。立ち上げ当時、旅行業界での経験がありスキルを持っているにもかかわらず、諸々の事情によりフルタイムで働くことができない女性が多くいることに気づいたという。そういった方に短時間でも就業できる環境を提供することで、旅行業界全体の働き方を変えていきたいと考え、自営型テレワーカーへの発注を始めた。
顧客の数がキーとなる旅行業界では、やはりマンパワーが必要となる。旅行は飛行機の手配から現地対応まで細かい仕事が多数発生するので、リモートでこなしてくれるテレワーカーの存在は同社にとって大きな戦力だった。
当初は、サテライトオフィス運営をしていた知り合いから施設利用者を紹介してもらったり、旅行業界の方から経験者を紹介してもらったりして、3人~5人を自営型ワーカーとして採用していた。現在は、自社サイトや求人サイトを利用し門戸を広げている。
自営型テレワーカーに発注しているのは主に顧客対応業務の部分だ。契約している顧客の出張の手配、具体的には顧客から送られてくるチャットメッセージへの返信や、顧客に対する航空券・ホテル等の提案・提案した手配物の予約だ。
ワーカーは同社で開発した専用システムを使っており、いつ誰が何を担当しているか、業務の進捗状況はどうなっているかを社員が確認できるようになっている。一人ひとりは短時間勤務でも、担当を明確にして引継ぎを行うことで、顧客に対するサービスは途切れることがない。同社で稼働中のワーカーには海外在住者も含まれるが、デメリットと感じられがちな時差も、稼働時間がずれて継続的なサポートができることが逆にメリットになっているという。
自宅にいながら、短時間でも、海外在住でも働ける、ということに、同社はもちろん自営型テレワーカーも大きな価値を見出している。ワーカー側から「手があいていますが仕事はありますか」などと自発的な声かけもあり、働き方の優位性がお互いの信頼関係を深めているようだ。
(※)同社はワーカーと意思疎通を図るためにボイスチャットなどを利用しコミュニケーションを取り合うことで上記のデメリットをカバーしている。
現在、同社は旅行業未経験者をワーカーとして採用していない。業務を遂行するにあたっては、専門用語や現地についての知見など、ベースとなるスキルが必要となるからだ。旅行業においてある程度基本的な部分を解決する知識を持っていることが、ワーカーの採用基準になっている。応募してきたワーカーとは、人柄や就業環境を把握するためにビデオチャットで面接を行い、これまでの経歴や旅行業においての知識が判断できるような要素を会話の中に散りばめてスキルを確認しているという。
事前の説明を十分に行っていても、リモートワーク未経験者にとって自営型テレワークという働き方は思った以上にイメージしにくい。「勤務中はパソコンから離れられないのではないかという声をワーカーさんから聞いて、こちらが予想もしないことを不安に感じるのだと驚きました。業務内容だけでなく働き方についても理解を深め合う必要がありますね」と、同社担当者は話す。
将来的には、システムや仕組みの改善により、旅行業界経験者以外の方が知識やスキルの向上に取り組めるような環境を作り、より多くの自営型テレワーカーに安定して活躍してもらうことで、業務の拡大を図っていく予定だ。「業務拡大には、自営型テレワーカーの皆さんの力が不可欠」と話す同社担当者。ワーカーにとっても企業にとっても価値のある「自営型テレワーク」という働き方を旅行業界で広め、新たなキャリアをつくりだすことが同社のミッションだという。自社サイトでは、社員スタッフ同様にワーカーを「仲間」として募集する同社。自営型テレワーカーは事業パートナーであり、貴重な戦力なのだ。
自営型テレワーカーとコミュニケーションをどのように取るかという点は重要です。ツールやフローを整備して、いつでも気軽に相談できて、的確な情報共有ができる環境をあらかじめ構築しておくとよいと思います。また、自営型テレワーカーを統括するスタッフを正社員でアサインし、適切なサポートや管理を行えるようにすることも重要です。
※ 掲載情報は、2019年3月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における自営型テレワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と自営型テレワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
自営型テレワーカーへの発注企業事例
Page Top