自営型テレワーカーへの発注企業事例
株式会社ナガヨシ

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事例 18

業務の棚卸しと標準化を経て自営型テレワーカーを活用
社員の工数・残業時間が大幅減

株式会社ナガヨシ

    • 事業概要

      高齢者向け福祉用具のレンタル・販売・住宅改修(介護保険サービス事業)
    • 本社所在地:大分県豊後大野市緒方町馬場31-1
    • ホームページ:https://www.nagayoshi.info/
    • 代表者名:長吉 友博
    • 資本金:1000万円
    • 従業員数:51名
    • 取引自営型テレワーカー数:12名
    • 発注金額(2022年):360万円
    • 発注件数(2022年):常時4~5件を継続

自営型テレワーカーへの発注に至った背景

株式会社ナガヨシは、もとは行商から始まった創業80年の会社。当初は総合衣料品店を事業としていたが、介護保険制度の開始とともに大分県居宅サービス事業所の指定を受け「福祉用具のレンタル・販売・住宅改修」の事業を開始。現在は、大分県を中心に7営業所を開所。51名のスタッフ(男性17名、女性34名)が地域の方々の在宅生活をサポートすべくサービスを提供している。

代表取締役の長吉友博さんによれば、同社が初めて自営型テレワーカーを起用したのは約2年前。「自治体主催の自営型テレワーカーとのマッチングイベントの開催情報を得て興味を持ち、出展したのがきっかけ」と話す。

自営型テレワーカーに依頼している主な業務は、介護保険請求事務だ。
「当社は介護サービス事業を行っており、売上は国や自治体から受け取る介護報酬がメインです。介護報酬を受け取るためには、介護保険法で定める単位と、ケアマネージャーのプラン、実際に当社が提供したサービスとを突き合わせ、正確な介護請求をおこなわなければなりません」
その膨大な書類の処理を社内スタッフで行っていたが、一連の作業の中でも比較的単純な「紙の書類をスキャンして電子化したのち、ファイル名をリネーム、クラウドサーバー上の所定のフォルダへ移動する。必要な情報を請求システムへ入力する。」といった作業を、自営型在宅ワーカーに依頼することにしたという。結果、年間2760時間分の社員の工数が削減され、残業時間も毎月40時間から10時間程度へと大幅に減少。今では10000枚以上にのぼる書類の整理・データ入力を自営型テレワーカーが担っているそうだ。

自営型テレワーカー活用の状況

同社で取引をしている自営型テレワーカーは12名。常時仕事を依頼しているのは6名で、ほとんどが子育て中の女性だ。「納期までに終わらせればいつ稼働しても自由。働く時間を選べるため子育てとの両立ができてありがたい」という声が聞かれるという。

自営型テレワーカーの採用は、発注業務も考慮し、自治体主催のマッチングイベントや、クラウドソーシングサイト、地元企業からの紹介などさまざまな手段を使っている。依頼業務は前述の請求業務が主だが、その他にも、「自社ホームページの更新、請求ソフトへの入力作業、自社カタログの情報修正・更新、社内マニュアルの作成等を依頼しています」と、総務部統括部長の高本勝久さん。同社の場合、発注業務はすべて自社業務なので、どのような業務を発注するかが鍵となる。「基本、会社に出社しなければできない業務は社内で、それ以外はなるべく自営型テレワーカーにお願いしています」(高本さん)。

発注に際しては、「試験は行いませんが、単価設定のためも含めてトライアルを1~3か月程度お願いして、それから本発注するようにしています」と高本さん。受発注の連絡や進捗管理、納品のやり取りは、オンラインのグループウェアを使用。報酬額は、トライアル期間中に、各自営型テレワーカーの時間当たりの処理可能量を計測し、業務の難易度も勘案して時間給を設定しているという。また処理能力が高い方や、比較的高度な業務ができる方には別途報酬アップを行っている。現在、リーダー的な自営型テレワーカーが2人育っており、新しく入ったメンバーへのレクチャーを任せられる体制も整い、社内スタッフの負担はさらに軽減されたと高本さんは話す。

  • 自営型テレワーカーへの発注のメリット
  • 社内スタッフがより専門的な業務に集中できる。
  • 事務作業を第三者に委託することで、業務の可視化や評価を客観的に行える。
  • 社外の知見を取り入れられる。
  • 自営型テレワーカーへの発注のデメリット
  • 委託するまでに面談や教育などの時間がかかる。
  • 熟達した自営型テレワーカーが抜けた場合のフォローが大変なこと。

発注・活用に当たっての課題・留意点

自営型テレワーカーを活用するにあたって、一番苦労したのは、業務の棚卸しと標準化だったという。「どの業務が外注可能か業務を棚卸しを行い、誰でもできるよう業務を標準化しなければなりません。それができるまではかなりの労力がかかりました。しかし、そこさえクリアし、業務が回り始めれば、自営型ワーカーを活用するメリットは大きい」と長吉さんも高本さんも口をそろえる。

今後の発注・活用方針

同社では積極的に業務のDX化も推進している。それに伴う業務が増える可能性があるため、今後も自営型テレワーカーを積極的に活用していく考えだ。
「現在依頼している請求書関連業務は、RPAやOCRなどを利用することで自動化できつつあります。今後必要になると思われるのは、オンライングループウェアや、RPAソフト、クラウドサービスなど個別のシステムやサービスを使いこなせるスキルのある自営型テレワーカーです。そのような方たちをどう確保していくかは課題となると感じています」と長吉さん。
他にも、コールセンター業務やSNSの記事作成・管理、自社基幹システムのカスタマイズなどの業務で自営型テレワーカー活用を検討している。

「当社のビジネスは、介護保険という制度ありきのビジネスです。制度改正などの影響も受けやすく、先が読めないだけに、柔軟に業務を依頼できる自営型テレワーカーの存在は大きいです」(長吉さん)。

自営型テレワーカーへの発注を検討している企業へのアドバイス

自営型テレワーカーの採用、教育、それに先立つ業務の棚卸しや標準化にはかなりの労力がかかります。どの業務をどういう手順で、どのくらいの額で依頼するか、最初に明確にすることも必要です。大変ですが、それでも一度業務が回り始めたら、自営型テレワーカーを活用するメリットを実感できると思います。

※ 掲載情報は、2023年10月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における自営型テレワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と自営型テレワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。

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