ノシクミ株式会社
事業概要
データ入力事業およびデータ入力システムの企画開発保守事業2008年に設立されたノシクミ株式会社は、「テクノロジーと人の協働」をミッションとして掲げ、データ処理などのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を事業の柱としている。本社は東京都にあるが、BCP(business continuity planning:事業継続計画)の観点から、沖縄、ミャンマーにも拠点を置いている。
ワーカーの取りまとめ役を担当しているのは、自身も自営型テレワーカーだった経験を持つ藤井さん。「設立当初はECサイトの構築など専門スキルを要する仕事が事業の中心でしたが、徐々にデータ入力の仕事が増えてきました。データ入力は仕事量に波があるため固定スタッフで対応するのが難しく、自営型テレワーカーの活用を考えました」(藤井さん)。
現在、同社に登録している自営型テレワーカーは約200名。うち、コンスタントに仕事を発注しているのは30名、そのうち10名がコアメンバーとして稼働している。登録スタッフの9割以上は子育て中の女性だという。「自営型テレワーカーの応募は自社の募集サイトからが最も多く、次に、マッチングイベントや既に登録しているワーカーさんからの紹介が多いです」(藤井さん)。短期間で多くの人員が必要なときは、クラウドソーシングサイトを利用することもあるそうだ。
採用にあたってはオンライン面接を行い、自営型テレワークができる環境であるかどうかを確認する。特にトライアルテストなどは行っていないが、依頼するデータ入力では住所氏名などの個人情報を扱うことが多いので、採用後はビデオ等で個人情報保護法について学んでもらう時間をとっている。
同社では、誰でも簡単に入力作業ができるよう専用のシステムを構築し、自営型テレワーカーは各自ログインして業務に取り組んでいる。「システムによって作業が標準化されているので、初めての方でも5分ほど説明すればすぐに業務を行うことが可能です。プロジェクト全体やスタッフごとの進捗管理は自動的に行えますし、ログが残されるので、自営型テレワーカーそれぞれのログイン時間や作業量を見える化できます」(藤井さん)。
業務は、ポイントカードの入力など、ごく簡単な作業から始めてもらい、自営型テレワーカーのスキルや適性によって、発注書や請求書、健康診断書など専門的な内容の入力作業へとステップアップできるようになっている。
入力作業はミスが起こりやすいが、同社では、同じ内容を2人の人に入力してもらい、突き合わせる方法で校正をしている。「1人が入力してもう1人が目視するダブルチェックよりも、格段に速く正確に校正ができます」と藤井さんは話す。
「自営型テレワーカーに仕事を依頼する際は、ワークフローをシンプルにすること、作業をマニュアル化することが不可欠です。当社の場合は自社開発したシステムによって、作業を単純化・標準化しているため、誰でも簡単に作業ができ、成果物の質もばらつきがありません」(藤井さん)。
しかし、それでも万全ではない。「入力のルールが変わったとき、社内の人間ならすぐに連絡が伝わりますが、自営型テレワーカーは作業時間がまちまちなので、同じ情報を同時に全員に浸透させることが難しい。誰にどこまで情報が伝わったか把握しづらいという欠点があります。対応策としては、こまめにレスポンスをしてもらうよう周知すること。また、採用時にも、コミュニケーション能力やレスポンスの早さを確認するようにしています」と、藤井さんは話す。
「入力作業は、特別なスキルがなくてもできる作業ですが、今後も需要が伸びていくと考えています。そのためにも、当社で働いてくださる自営型テレワーカーの数を増やしていく予定です」(藤井さん)。経験を積んだ自営型テレワーカーには、ステップアップした作業を依頼するなど、条件のよい業務依頼を行うことで評価を示しているという。
自営型テレワーカーには、作業環境の標準化により即戦力で活躍していただけます。また、スキルの高い方が多く多様な業務に対応していただけるので、業務上のパートナーとしてどんどん活用するとよいと思います。もちろん、人によって取り組み方や作業ペースはそれぞれ。それを自営型テレワーカー活用のデメリットと考えるのではなく、どんな方であっても同じように仕事が進むようなスキームをあらかじめ検討しておくとよいと思います。
※ 掲載情報は、2024年9月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における自営型テレワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と自営型テレワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
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