映像ディレクターとは
映像ディレクターは、企業プロモーションやCM、テレビ番組、Web動画、ビデオなどの映像作品を制作する際に、全体を取り仕切る職業、またはそれに従事する者のこと。プロデューサーなどにより決められた内容に沿って、映像作品の企画・制作・演出を行うほか、構成シナリオ作成、撮影、編集、CGなどの作業をする場合もある。映像制作に関する幅広い知識や、決められたスケジュールの中で制作をすすめるマネジメント力、各工程を担当するメンバーとのコミュニケーション力も求められる。
自営型テレワーカー歴:4年
職種:映像ディレクター
収入:非公開
前職:映像ディレクター(制作会社にて社員ディレクター)
ワークスペース:自宅から電車で20分ほどのコワーキングスペース
PC環境:i-mac , mac-book-air
8
時間/日
5
日/週
以前は会社に所属し、企業のプロモーション映像や商品映像のディレクターとしてキャリアを積んできた山口武彦さん。小規模な会社だったため、専門であった企画構成や台本制作だけでなく、営業から見積作成までなんでもこなしてきたという。35歳の頃、決まった勤務時間内で働くのではなく自分の采配で働きたい、人に言われた仕事をするのではなく自分の望むやり方で仕事をしたいと思うようになり、退職を決意。自営型テレワーカーとなった。
「会社員時代からクライアントとのコミュニケーションを大切にしてきました」(山口さん)。日頃からていねいに対応し信頼関係を築いてきたおかげで、自営型テレワーカーになってからも、以前かかわりのあった企業から声をかけてもらったり、別のクライアントを紹介してもらうことができた。
仕事の内容は、従来と同じ映像ディレクター。会社員時代と違うのは、企画・構成や台本など制作の仕事に専念することができ、自分のスキルの向上や成長を実感できることだ。また、以前より家族と過ごす時間も確保しやすくなったという。
よかったこと
自分の采配で仕事の時間をコントロールできる。
自分のイメージした内容で仕事を進めることができる。
閑散期には家族と過ごしたり、スキルアップや勉強のために時間を使うことができる。
困ったこと
繁忙期には極端に忙しい日が続き、家庭のことがおろそかになることがある。
仕事柄、繁忙期と閑散期の差が激しく、長期的な予定が立てられないことがある。
「仕事の質を高める上でも、継続的に仕事を得ていく上でも一番大切なのはコミュニケーション」と山口さんは言う。コミュニケーションといっても、雑談をして相手を笑わせることではない。「打ち合わせのときに、先々の行程まで見越して必要な情報をもれなく聞き出せること、相手の望むイメージをしっかり聞き取ること、ここまではできる、これ以上はできないとはっきり言えること」だと強調する。「あとからやり直しが発生したり、お互いにこんなはずじゃなかったと嫌な思いをしたりしないために、最初の打ち合わせでしっかり話を聞くことが何より大事です」と話す山口さん。プロジェクトがスタートした後も、こまめに報告、連絡、相談し、意思疎通をすることも、気持ちよく遂行するポイントだ。
もう一つ、山口さんが心がけていることがある。それは、制作に対する“力加減”だ。「制作の仕事は、『これで完成』ということがなく、時間をかければいくらでもよいものができます。しかし、常に際限なくがんばっていては、体がもちません。自分の求める完成イメージと、クライアントの求めるイメージ、納期や予算を勘案しながら、最適なラインを自分なりに設定し、必要以上にがんばりすぎないことも、長く仕事を続けるうえで大事だと思います」。
悩みは、繁忙期と閑散期の差が極端であること。「仕事がこなくなると困る」と、自分のキャパシティ以上に仕事を入れ過ぎて、ライフ・ワーク・バランスを崩してしまうこともあるという。
「今後は、年間を通して平均的に仕事が回るよう、取引先の幅を広げていきたい。また、外注やアウトソーシングなども上手に活用し、制作に集中できる体制を整えたい。トライアンドエラーを繰り返しながら、最適な働き方を探っているところです」(山口さん)。
オフの日でも、テレビを見れば、映像のカット割りやナレーションに注目してしまったり、子どもと遊んでいるときも、幼い発想から学んだり、「つい仕事とつなげてしまう」という山口さん。仕事も家庭もシームレスにつながっている、そんな働き方ができることは自営型テレワーカーの最大の魅力かもしれない。
自営型テレワークの仕事例
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