特定非営利活動法人チルドリン徳島
事業概要
子育て世代ママの就労・雇用創出に関する事業/子育てしやすい社会構築のための行政・企業との協働事業チルドリン徳島は、イベント開催等を通じて子育て中の母親の自己実現をサポートする一方で、企業や行政から業務を請け負いながら、協働事業を行ってきた。請け負う仕事は「自分たちでできる範囲のことを行ってきた」(同法人担当者)が、2014年、子育て世代の女性の就労機会の創出と、企業からの将来的な受注増加を見込み、在宅ワーカーの育成と活用をスタートした。
同法人が在宅ワーカーに設けている道は2つ。一つは名刺入力などを行う「庶務部」、もう一つは、サイトリニューアルに伴うデータ移行、資料の電子化といったハイスキル業務を行う「ICTママ」だ。
在宅ワーカーの育成やフォローにも力を入れている。在宅ワークを行う上での基礎知識を身につけることができる「ICTママ養成講座」を開催したり、対面での相談対応を行ったりしている。「集合研修によって受講生同士横のつながりができるだけでなく、マインドの共有もされるため、講座は在宅ワーカーを活用する上で非常に有効です」、「必要があれば、その都度講座を行い、対面でフォローしています。不明点があるときは、パソコンをかかえて子ども同伴で質問に来る方もいます」と同法人担当者は話す。
在宅ワーカーとの連絡や進捗管理には、サイボウズliveや電話、チャットを利用している。業務において不備があれば、関係者全員で共有し、不明点や注意点を共通認識で持つようにしている。何かあれば各自がプッシュ通知を受信する設定になっているので、在宅ワーカーは「自分以外の誰かが一緒に働いている」ことを感じ、孤独感が薄らぐのだそうだ。
在宅ワーカーの成果物
ワーカーに仕事を発注する際は、まずは少量の作業を依頼し、ワーカーの理解度を判断した上で、力量に応じた量を渡している。また、納品物の質を確保するため、初期の段階から細かく決めごとを作って、グループウェアで適宜連絡をするなど、細かいケアを欠かさない。他のワーカーの納品物を、途中でチェックできるようにしているのも、クオリティを上げるための工夫である。
「私たちは、価値のある仕事を提供したいと思っています。在宅ワークは、IT内職ではありませんから」と話す同法人担当者。その分、ICTママ講座では未来のワーカーに対して厳しい言葉も投げかける。「在宅ワーク=楽に稼げる、ではありません。子育てや介護と向き合いながら自分で自分を管理する、在宅ワークという価値ある働き方を『選んで』欲しいんです」。
働きたいけど働けない母親や、配偶者の転勤などで孤立してしまう母親は多い。同法人は、子育ての悩みや地域の問題も、仕事を軸として共に解決していけるような地域コミュニティづくりを目指しており、現在は地域に密着したワーカーの育成とチームづくりを進めている最中だ。
さらに、この在宅ワーカーチームで、企業や自治体のバックオフィス機能(総務や経理など)を担おうと考えている。現在、企業からの依頼は口コミで増えている。一方で、子育て世代の母親からの「ICTママ講座」の開催を望む声も多く、双方の要望に応えられるよう整備中だ。
在宅ワーカーの属性はさまざまですが、それぞれがチームワークや共感力といった良さを持っていて、それが地域や企業の成長にとってもよい影響をもたらすと考えています。
※ 掲載情報は、2017年2月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
在宅ワーカーへの発注企業事例集
Page Top