※1:「クラウドソーシング」とは、インターネットを利用して不特定多数の人に業務の受発注ができるWebサービスを指す。
同社代表取締役は、Web・動画制作会社でWeb制作ディレクションを3年間つとめた後に独立した。独立後は、広告の企画・制作やWebサイト制作を請負う在宅ワーカーとして2年ほど活動していた。その後、事業が軌道に乗り、2009年10月に株式会社プロスペクトを設立した。
起業して1年経った頃に、業務が増えてきたので、在宅ワークの求人情報を掲載しているWebサイト(以下、「在宅ワーク求人情報サイト」(※2))で、デザイン、ライティング、データ収集等の発注を始めた。そして、2012年にライターを広く募集する必要が生じ、インターネットで見つけたクラウドソーシングサイトを使って試験的に募集をしてみた。
クラウドソーシングの利用を最初に始めた時には、在宅ワーク求人情報サイトとの区別が今ひとつはっきりしなかった。しかし、「口コミの収集・ランキング化」という事業形態を着想後、在宅ワーク求人情報サイトよりクラウドソーシングの方が、口コミの対象である商品の実際の利用者を一度に多数集めるのに適していることがわかった。さらに、在宅ワーク求人情報サイトと異なり、クラウドソーシングなら在宅ワーカーと直接請求書等の郵送などの事務作業を省けるというメリットがあることもわかった。こうして、クラウドソーシングを積極的に利用することにした。
当初は特定のクラウドソーシングサイトしか知らなかったので、それのみ利用していた。その後、より多くの口コミを収集するために、自身で調べて現在は5つのクラウドソーシングサイトを活用している。
在宅ワーク求人情報サイトとクラウドソーシングの双方にメリット・デメリットがあると考えており、業務内容に応じて使いわけている。
※2:「在宅ワーク求人情報サイト」とは、Webサイトに在宅ワーカーの求人情報を掲載して、応募してきた在宅ワーカーと直接契約を結ぶことができるようにするものを指す。
同社は主に、自社運営の口コミ情報サイト「口コミレポート&ランキング」(http://www.kuchikomi-s.com/)において、クラウドソーシングを活用している。
口コミレポート&ランキング
クラウドソーシングを利用して、自社の口コミサイトに掲載されている企業のサービス利用者や商品の購入者を募り、口コミ(レポート形式)の執筆等の業務を多数発注している。募集対象は、実際の利用者や購入者に限定している。
業務の発注は応募してきたメンバーと仕様や見積もりなどの条件を交渉した上で人材を選んで契約する「プロジェクト形式」で行っており、毎月50件程度の発注実績がある。同社の口コミサイトにおける口コミの累計は約1,000件(2015年5月時点)もあるが、ほぼ全てがクラウドソーシングを通じて収集している。
同社では、クラウドソーシングの利用前から在宅ワーク求人情報サイトで同様の業務を発注していたので、同業務の報酬の目安はついていた。報酬額は、口コミレポートの分量、カテゴリー等に基づき独自の基準を設定して決めている。応募してきた中から採用した在宅ワーカーには、受注の意思を確認してから、仕事を発注している。
これまで、在宅ワーカーの選考や業務の発注において、大きなトラブルは生じていない。ただ、トラブルの発生を防止するためには、仕事のやりとりにおいて在宅ワーカーへ誠意を見せて対応することが大切だと考えている。また、トラブル発生の懸念を感じる場合は、クラウドソーシングサイトの運営会社に相談したりもしている。
同社には、在宅ワーク求人情報サイトを通じて業務を依頼したのをきっかけに、長期的に継続して業務委託を行っている在宅ワーカーが4名(うち1名は専属である)おり、主に口コミサイトの制作・コーディング、口コミの掲載、納品のチェックを担当している。また、そのうち2名は、主に口コミの収集を行っている。在宅ワーカー4名全員、子供を持つ女性である。
同社では、長時間労働が難しい在宅ワーカーであっても無理なく仕事を続けられるように、業務の割り振りを行っている。在宅ワーカーのモチベーションは高く、納品には高い質が期待できている。
継続して業務委託を行うことで、在宅ワーカーとの間に信頼関係を築いている。そのため、Web制作等の納品に高い質が求められる業務については、(急ぎでない場合であれば)直接発注で対応している。
※ 掲載情報は、2015年5月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
在宅ワーカーへの発注企業事例集
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