同社の音楽eラーニングサイト「ヤマハ ミュージック レッスン オンライン(http://musiclesson.jp/)」事業担当部門では、2013年9月頃からクラウドソーシング(※1)を活用している。
主な発注業務は、イベント等のWebサイトの制作、バナー制作、チラシ制作等のクリエイティブ要素の高い業務である。さらに最近では、インタビュー対象者の募集やそのテープおこし、情報収集やコンサルティング的な業務の発注も行っている。
バナーの例
チラシの例
2013年9月以降、クラウドソーシングを通じて定期的に業務を発注しており、すでに20件超(月に1~2件)の発注実績がある。
主な発注形式は、プロジェクト形式が約8割、コンペ形式が約2割である。Webサイトの制作などはプロジェクト形式で発注し、そのうち至急の案件などは以前に依頼したことがある在宅ワーカーを指名して業務を発注することもある。また、バナー制作の場合は、多くのデザインを集めるために、コンペ形式で行っている。コンペ形式の場合は約2週間で15~30件の応募がある。
報酬額の決定において、最初はクラウドソーシング事業者の担当者に相談したが、その後はクラウドソーシングサイトの他社の発注例を参考に大枠を提示して、在宅ワーカーと協議して決めている。大半は当初の提示額で業務が終了している。
在宅ワーカーの選定方法は、ユーザのマイページに掲載されているプロフィールやポートフォリオを参考に、同社担当者と取り交わすメールの文面からビジネスマナーが備わっているかという点も踏まえて選考している。
選考後は、クラウドソーシング事業者の契約に加えて、同社独自の業務契約書を書類で取り交わし、著作権や秘密保持について取り決めを行っている。このように工夫していることもあり、これまでトラブルはおきていない。
※1:「クラウドソーシング」とは、インターネットを利用して不特定多数の人に業務の受発注ができるWebサービスのこと。
他部署で実績のあった在宅ワーカー(プロのフリーランス)を紹介してもらい、2012年頃から、動画の編集業務をその在宅ワーカーに直接発注している。業務はその在宅ワーカーを窓口としたチームによる対応のため、安心して発注できている。
クラウドソーシングを活用した主なきっかけは、2つある。第1は、担当者の上司が大学院でクラウドソーシングを分野の一つとした研究室に所属しており、クラウドソーシングを詳しく知ったことである。第2は、運営している「ヤマハ ミュージック レッスン オンライン」は名前のとおりオンラインサービスであり、同じくオンラインサービスにおけるトレンドの一つであるクラウドソーシングのビジネスモデルに関心があったためである。また、オンラインサービスを展開している関係上、Webページ制作の効率化を図りたいという業務上の課題もあった。
しかし、同社ではクラウドソーシング活用の実績がそれまでなく、導入当初は社内調整が大変だった。懸念点としては、仕事を依頼する相手の顔が見えない、経理面の手続き、募集時に自社名を出すことによる広報面への影響などが社内であげられた。社内で検討を行い、実際に利用できるようになるまで1~2ヶ月かかった。
※ 掲載情報は、2014年8月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
在宅ワーカーへの発注企業事例集
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