発注企業事例
ヤマハ株式会社

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企業概要

事業概要
楽器事業、音響機器事業の他、半導体等の電子部品事業、ゴルフ用品、自動車用内装部品、FA機器、リゾート施設等の事業を行っている。
本社所在地
静岡県浜松市
従業員数
19,851名
ホームページ
http://jp.yamaha.com/

在宅ワーカーへの発注・活用の状況

クラウドソーシングの活用

同社の音楽eラーニングサイト「ヤマハ ミュージック レッスン オンライン(http://musiclesson.jp/)」事業担当部門では、2013年9月頃からクラウドソーシング(※1)を活用している。

主な発注業務は、イベント等のWebサイトの制作、バナー制作、チラシ制作等のクリエイティブ要素の高い業務である。さらに最近では、インタビュー対象者の募集やそのテープおこし、情報収集やコンサルティング的な業務の発注も行っている。

バナーの例
バナーの例

チラシの例
チラシの例

2013年9月以降、クラウドソーシングを通じて定期的に業務を発注しており、すでに20件超(月に1~2件)の発注実績がある。

主な発注形式は、プロジェクト形式が約8割、コンペ形式が約2割である。Webサイトの制作などはプロジェクト形式で発注し、そのうち至急の案件などは以前に依頼したことがある在宅ワーカーを指名して業務を発注することもある。また、バナー制作の場合は、多くのデザインを集めるために、コンペ形式で行っている。コンペ形式の場合は約2週間で15~30件の応募がある。

報酬額の決定において、最初はクラウドソーシング事業者の担当者に相談したが、その後はクラウドソーシングサイトの他社の発注例を参考に大枠を提示して、在宅ワーカーと協議して決めている。大半は当初の提示額で業務が終了している。

在宅ワーカーの選定方法は、ユーザのマイページに掲載されているプロフィールやポートフォリオを参考に、同社担当者と取り交わすメールの文面からビジネスマナーが備わっているかという点も踏まえて選考している。

選考後は、クラウドソーシング事業者の契約に加えて、同社独自の業務契約書を書類で取り交わし、著作権や秘密保持について取り決めを行っている。このように工夫していることもあり、これまでトラブルはおきていない。

※1:「クラウドソーシング」とは、インターネットを利用して不特定多数の人に業務の受発注ができるWebサービスのこと。

在宅ワーカー(直接発注)の活用

他部署で実績のあった在宅ワーカー(プロのフリーランス)を紹介してもらい、2012年頃から、動画の編集業務をその在宅ワーカーに直接発注している。業務はその在宅ワーカーを窓口としたチームによる対応のため、安心して発注できている。

在宅ワーカーへの発注・活用に至った背景

クラウドソーシングを活用した主なきっかけは、2つある。第1は、担当者の上司が大学院でクラウドソーシングを分野の一つとした研究室に所属しており、クラウドソーシングを詳しく知ったことである。第2は、運営している「ヤマハ ミュージック レッスン オンライン」は名前のとおりオンラインサービスであり、同じくオンラインサービスにおけるトレンドの一つであるクラウドソーシングのビジネスモデルに関心があったためである。また、オンラインサービスを展開している関係上、Webページ制作の効率化を図りたいという業務上の課題もあった。

しかし、同社ではクラウドソーシング活用の実績がそれまでなく、導入当初は社内調整が大変だった。懸念点としては、仕事を依頼する相手の顔が見えない、経理面の手続き、募集時に自社名を出すことによる広報面への影響などが社内であげられた。社内で検討を行い、実際に利用できるようになるまで1~2ヶ月かかった。

在宅ワーカーへの発注・活用のメリット

  • 同社内ではWebコンテンツの制作・編集が頻繁にあり、内部スタッフでの対応か、外部業者への委託の2択しかなかったが、クラウドソーシングの活用により選択の幅が拡がった。
  • コスト・品質・スピードなど全ての面でメリットを感じている。特に、同社内でプロジェクトを並行して実施している時は、スピード面とコスト面でのメリットが大きいと思う。

発注・活用に当たっての課題・留意点

  • クラウドソーシング活用の当初は、相場観や募集文面のノウハウが不足していた。相場についてはクラウドソーシング事業者に相談しながら決定した。また、募集文面については発注を重ねることでノウハウを蓄積していった。
  • Webサイト制作の発注では、デザイン面はあまり問題ないが、コーディング面で力量が不足しているということもあった。そのため、あらかじめ同社内でテンプレートを作成して在宅ワーカーに事前提供して作業してもらうことで効率化を図ったこともある。
  • 在宅ワーカーのマイページの中には、情報量をもっと充実させた方が良いと思うものがある。発注企業は真剣に在宅ワーカーのプロフィールや実績を見ている。在宅ワーカーにとっては、情報発信力も能力の一部のため、しっかりとしたプロフィールを掲載してうまく自己アピールを図ることも重要だろう。
  • クラウドソーシングサイトに関しては、管理機能がもう少し充実すると良い。例えば、現在は、成約した案件に関するデータを見ることはできるが、成約しなかったが魅力的な在宅ワーカーのデータも簡単に閲覧できるような工夫などが欲しい。

今後の発注・活用方針

  • 自部署では、今後も基本的にクリエイティブ案件が中心になるが、インタビュー対象者の募集や情報収集などにももっと活用したいと思っている。まだ具体的な予定はないが、開発系業務の発注も将来的には可能だろう。
  • 自社でのクラウドソーシング活用の実績ができたので、他部署でも使いやすくなってきた。最近、他の部署からも相談を受けて、利用が広がりつつある。
  • クラウドソーシングの活用の認知度が社会全般に高まれば、もっと一般企業が利用するようになるだろう。

在宅ワーカーへの発注・活用を検討している企業へのアドバイス

  • クラウドソーシングは、在宅ワーカーとつながる場がインターネット上というだけであり、普段の業務委託と同じスタンスで活用を検討してみれば良いと思う。
  • 発注の効率化をはかるには、在宅ワーカーが発注内容を理解しやすい・作業しやすい形でわかりやすく切り分けて、取り組めるようにする必要がある。その一環として、作業によってはテンプレートを作成して発注するといった工夫が必要だと思う。

※ 掲載情報は、2014年8月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。

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