※1:「クラウドソーシング」とは、インターネットを利用して不特定多数の人に業務の受発注ができるWebサービスを指す。
同社は、ものづくり企業のブランディングや独自技術を活かす方法を複数社で集まって議論する「ものづくり経革広場 ブランディング研究会」に所属している。これまでは B to B 事業が中心だが、将来的に B to C 市場の開拓を目指して、同社は「(一般消費者には)なじみが薄い」自社のプラスチック加工品や加工技術のブランディングを同研究会でも検討してきた。
しかし、ものづくり系企業が会員である同研究会だけでなく、一般消費者自身の意見を聞いてみることを思いついた。そして、2014年秋頃、同社は自社の製品や技術について詳しくない一般の人々からアイデアを募集することに決めた。当時、同社はクラウドソーシングについて詳しくは知らなかったが、知人からの紹介を受けて利用することにした。
2015年1月頃よりクラウドソーシングサイトへのアイデア募集の準備を始めて、2015年3月に募集を開始した。
製造過程の例
募集を開始する際には、A4で1枚程度の文章で、同社の加工技術を用いた製品のアイデア募集を行った。今回利用したクラウドワークスは在宅ワークの登録者が多く、わずか2週間ほどで約180件の応募があり、アイデアの中には質の高いものが多数含まれていた。応募者の年齢は20~40代が中心で、男女問わず幅広い応募があった。
採用者の選考に当たっては、応募者の属性や過去の実績は関係なく、応募文の表現力、思考のプロセス、実現性、アイデアの斬新さ等を重視した。
このアイデア募集案件を通して、新製品のアイデアを得ただけでなく、プラスチック加工品の利用方法についてのマーケティング調査もできたと考えている。
最初のアイデア募集で集まったアイデアは、3タイプ(①ノベルティグッズ、②水槽用オブジェ、③教育用グッズ)に大別できた。この中で、アイデアをすぐに商品化するのではなく、試作品の製作と評価のために、あらたにクラウドソーシングサイトを利用してモニター募集を行った。
ノベルティグッズや教育用グッズについては試作品を製作してモニターに送付して評価してもらう段階に入っている。一方、水槽用オブジェについてはモニターが十分には集まらなかったため、再度募集をかけた。このモニター募集案件には、「主婦」といった自らの属性を明示した応募が多かった。また、そのうちの数人は、アイデア募集案件への応募者だった。このように、自社に引き続き関心を持ち続けてもらっている点も良かったと感じている。
※ 掲載情報は、2015年6月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
在宅ワーカーへの発注企業事例集
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