在宅ワーカーの活用は制作部門(ライティングソリューション)で行っており、主な業務はライティングである。同社内にはライターが約10名いるが、業務が急増する場合は対応が難しくなるため、業務量の変動にあわせて在宅ワーカーを活用している。
同社には、仲介機関(パートナー企業)に登録している在宅ワーカーが30~40名、個別契約を結んでいるフリーの在宅ワーカー(フリーランス)が10名の計約50名の在宅ワーカーがおり、そのうち3~4割の人に仕事を発注している。在宅ワーカーの8割以上は女性で、20~40代が多くを占める。
在宅ワーカーに発注しているライティング業務は、主に、①企業のWebサイトのコンテンツ(企業情報やサービスの紹介、販促やブランディングにつながるコンテンツ等)、②マーケティングのためのコンテンツ(ユーザに有益な情報を提供するコンテンツや記事制作等)である。この他、発注量はまだ少ないが、メールマガジンの執筆やFacebookへの投稿代行などもある。
仲介機関の在宅ワーカーに仕事を依頼する際には、まず始めに、仕事を希望する在宅ワーカーに課題を出して品質を見るトライアルテストを行ってマッチング度の高い優秀なワーカーのみを選定している。仲介機関には、在宅ワーカーに仕事を依頼する際に参照する同社が独自で定めているガイドラインとトライアルで使う課題を提示し、トライアルの結果は同社が判断する。トライアルに合格しないと仕事を受けられない仕組みである。
仕事を受けてもらう場合はペンネームではなく本名を開示してもらい、責任の所在が明らかになるようにしている。原稿を提出した後は、同社内で原稿のチェック及び編集を行い在宅ワーカーにフィードバックされる。これを幾度も繰り返すことで原稿が仕上がっていく。最後には完成原稿を在宅ワーカーに送っている。このプロセスが、在宅ワーカーの教育にもつながっている。なお、同社内での原稿チェックは、社内の10名のライターのうち、編集業務を担当している3~4名がフィードバックの対応を行っている。
同社は、歯科、医療、美容のクライアントが多い。この他、ブライダル系やウェディング系など、女性ならではの視点が活かせる業務が多い。歯科の中でも特に小児歯科であれば、主婦はユーザ視点で原稿が書けるといった面もある。在宅ワーカーの趣味や仕事経験(特に金融、保険等)を見て指名する場合もある。
同社では、3年前にライターのランク方式を開始した。5段階のランクを設定し、報酬はランクによって決められる。
はじめは一番低いランクからスタートするが、フィードバックの回数が減り、成果物のレベルが上がればランクが上がり、報酬も上がるという、モチベーション維持・向上につながる仕組みとなっている。
セキュリティ面に関しては、仲介機関と秘密保持契約(NDA)を締結しているため、仲介機関にその基準を満たしてもらっている。
2009年頃から、業務量が増加して社内スタッフだけでは対応するのが難しくなり、コスト面も考えて、在宅ワーカーの活用を検討した。当初はSOHOの活用も考えたが、個別契約となるため、人数が多くなると手間が増えることを勘案して、在宅ワーカーのとりまとめをしている企業(仲介機関)を探して活用することにした。品質面の問題は徹底した教育の仕組み及び、社内スタッフの編集によりカバーできているという。
在宅ワーカーを活用するまでは、業務の発注が一気に増えた時は仕事を断っており、その頃からアウトソーシングの必要性を感じていた。ただし、業務を行うには一定以上のレベルを要するため、在宅ワーカーに発注するにしても品質を確保する必要があった。
そのため、在宅ワーカーの活用にあたり、仲介機関には同社から詳細なガイドラインを提示して在宅ワーカーと成果物の品質を担保している。在宅ワーカーには、始めにトライアルを実施してレベルを確認している。原稿は、幾度ものフィードバックを経ることで在宅ワーカーの教育にもなり、成果物の品質向上にもつながっている。
※1:「SEO」とは、検索結果のページにおいて、自らのWebサイトが上位に表示されるように工夫するための技術・サービスのこと。
※ 掲載情報は、2014年10月時点のものです。
※ 掲載情報については、あくまで企業における在宅ワーカーへの発注・検討に資するためのものであり、当該発注企業と在宅ワーカーの契約内容について(事務局が)保証するものではありません。
在宅ワーカーへの発注企業事例集
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