自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン
全文と各項目の解説(6)

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全文と各項目の解説(6)

(4) その他
イ 仲介に係る手数料の明示

 仲介手数料、登録料、紹介料、システム利用料等の名称を問わず、自営型テレワーカーから仲介に係る手数料を徴収する場合には、仲介事業者は、手数料の額、手数料の発生条件、手数料を徴収する時期等を、自営型テレワーカーに対し、あらかじめ、文書又は電子メール等で明示してから徴収すること。
 仲介事業者は、注文者と自営型テレワーカーとの契約成立時に手数料を徴収する場合には、個々の契約を締結するに際し、自営型テレワーカーに対し、手数料の額等を明示すること。

解説

* 仲介に係る手数料とは、仲介に伴い徴収するものをいい、第2の⑷の①の仲介事業者が、発注者から委託を受けた額と、自らが自営型テレワーカーに注文したその業務に関する報酬額の差額の明示まで求めるものではありません。

ロ 物品の強制購入等

 注文者は、正当な理由がある場合を除き、応募者及び自営型テレワーカーに対して、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させないこと。
 注文者等が法第2条第6項の「特定業務委託事業者」に該当し、自営型テレワーカーに1か月以上の業務委託を行う場合には、自営型テレワーカーの給付の内容を均質にし、又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させることは禁止されていること(法第5条第1項第5号)。

解説

* 「物品の強制購入等」には、例えば、保険、リース、インターネット等のサービスを強制して利用させた場合も含まれます。また、注文者が指定する物であれば、注文者の商品以外も含まれます。

* 自営型テレワーカーの能力開発の援助として教材を無料で配布したり、強制ではなく任意に自営型テレワーカーが物品等を購入したりする場合については該当しません。なお、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第51条に定める業務提供誘引販売取引(30ページ参照)に該当する場合には、注文者は当然に、同法を遵守しなければなりません。

ハ 注文者の協力

 注文者は、自営型テレワーカーが仕事をする上で必要な打合せに応じる等、契約内容を履行するために必要な協力を行うことが望ましいこと。

解説

* 自営型テレワーカーが契約内容を履行するためには、業務遂行上、必要な打合せに注文者が応じる等の協力が不可欠です。
 ただし、自営型テレワークは請負契約や準委任契約等により行われるものであり、雇用契約のような指揮命令を行う契約ではないことに留意しましょう。

ニ 個人情報等の適正な管理等
1.自営型テレワーカーの個人情報の保護

 注文者及び仲介事業者は、自営型テレワーカー又は応募者の個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的をできる限り特定すること。また、あらかじめ本人の同意を得ないで、利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱わないこと。注文者及び仲介事業者は、自営型テレワーカー又は応募者の個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じるほか、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)を遵守すること。

2.自営型テレワーカーが取り扱う個人情報について

 注文者は、個人情報の取扱いを自営型テレワーカーに委託する場合、当該個人情報の安全管理が図られるよう、自営型テレワーカーに対して、必要な監督を行わなければならないこと。

ホ 健康確保措置

 情報機器作業(注)の適正な実施方法、腰痛防止策等の健康を確保するための手法について、注文者が自営型テレワーカーに情報提供することが望ましいこと。なお、情報提供の際は、必要に応じて令和元年7月12日付け基発0712第3号「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」及び平成 25年6月18日付け基発0618第1号「職場における腰痛予防対策の推進について」を参考にし、情報提供することが望ましいこと。
 注文者は、自営型テレワーカーから健康確保に関する相談を受けた場合には、相談に応じ、作業の進捗状況に応じた必要な配慮をするよう努めること。その際、相談内容についての情報管理を徹底するとともに、相談者のプライバシーの保護に配慮すること。

解説

* こちらのページ以降に、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインの概要」及び「職場における腰痛予防対策指針」(抄)を掲載しています。

* 注文者は、自営型テレワーカーから相談を受けた場合には、必要に応じて契約内容を見直す、仕事の進捗管理について助言する等の配慮をするよう努めましょう。

ヘ 能力開発に関する支援

 注文者は、自営型テレワーカーが能力の開発及び向上を図ることができるように、業務の遂行に必要な技能、これに関する知識の内容及び程度その他の事項に関する情報の提供等、自営型テレワーカーの能力開発を支援することが望ましいこと。

解説

* 自営型テレワーカーが安定的に仕事を確保するためには、恒常的な能力開発が不可欠である一方、自営型テレワークは自営的な働き方であるため、自ら能力開発を行う必要がありますが、注文者の委託する業務によっては、習得すべき知識・技能に関する情報を得る機会が少ないことも想定されます。そのため、注文者は、その業務の遂行について、自営型テレワーカーに必要と思われる能力開発に関する情報を提供する等により、自営型テレワーカーの能力開発に関する支援を行うことが望まれます。

ト 担当者の明確化

 注文者は、あらかじめ、自営型テレワーカーから問合せや苦情等があった場合にそれに対応する担当者を明らかにすることが望ましいこと。

解説

* 自営型テレワーカーが作業の遂行に当たって疑義が生じ問合せを行いたい場合や苦情を申し出たい場合に、注文者は、それを受け付ける担当者、連絡先について、あらかじめ、自営型テレワーカーに明らかにすることが望まれます。

チ 苦情の自主的解決等

 注文者は、自営型テレワーカーから苦情の申出を受けたときは、自営型テレワーカーと十分協議する等、自主的な解決を図るように努めること。

解説

* 注文者と自営型テレワーカーとの間の紛争は、本来、当事者間で自主的に解決することが望まれます。

* 自主的な解決が困難な場合には、必要に応じて、日本司法支援センター(通称「法テラス」)や、独立行政法人国民生活センター、消費生活センター等の機関を活用することが考えられます。

 仲介事業者は、相談窓口を明確化する等、注文者や発注者、自営型テレワーカーや応募者からの苦情を迅速、適切に処理するための体制整備を行うことが望ましいこと。

* 例えば、発注者が直接自営型テレワーカーに苦情等を伝達した場合であっても、自営型テレワーカーに不当な不利益が生じないよう、第2の ⑷の①の仲介事業者が発注者と協議することが望まれます。

リ 育児介護等と業務の両立に対する配慮

 注文者は、自営型テレワーカーに対し、自営型テレワーカーからの申出に応じて、自営型テレワーカーが育児介護等と業務を両立できるよう、必要な配慮(以下「配慮」という。)を行うこと。
 注文者等が法第2条第6項の「特定業務委託事業者」に該当する場合、当該注文者等は、自営型テレワーカーに6か月以上の業務委託を行うときは、配慮を行う義務があり(法第13条第1項)、6か月未満の業務委託を行う場合には、配慮を行う努力義務があること(法第13条第2項)。

ヌ ハラスメント対策に係る体制整備

 注文者は、業務委託におけるハラスメントにより自営型テレワーカーの就業環境を害することのないよう相談対応のための体制整備その他の必要な措置(以下「ハラスメントに係る相談体制の整備等」という。)を行うこと。
 注文者等が法第2条第6項の「特定業務委託事業者」に該当する場合は、ハラスメントに係る相談体制の整備等を行う義務があり(法第14条第1項)、自営型テレワーカーがハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とした不利益な取扱いは禁止されていること(法第14条第2項)。

ル その他

 下請代金支払遅延等防止法(昭和31 年法律第120 号)が適用される場合は、同法第2条第7項に規定する親事業者に該当する注文者は、書面の交付義務等、同法を遵守することがあることにも留意が必要であること。また、注文者等が法第2条第5項の「業務委託事業者」に該当する場合には、法に定める義務等について、本ガイドラインに記載されているもの以外も含め、遵守することが必要であることにも留意が必要であること。

(注)情報機器作業とは、パソコンやタブレット端末等の情報機器を使用してデータの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業をいう(「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)。

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