注文者は、自営型テレワーカーと成果物のイメージをできる限り具体的に共有し、自営型テレワーカーの過度な負担となる補修を繰り返さないようにするため、契約条件の文書交付と併せ、自営型テレワーカーに求める成果物の内容について、具体的に説明すること。
請負契約における成果物に瑕疵があっても、当該瑕疵の補修がなされた場合には、注文者は自営型テレワーカーに報酬を支払う必要があること。
発注者が注文者である仲介事業者に報酬を支払わない場合であっても、自営型テレワーカーが瑕疵のない成果物を納品し、又は役務を提供した場合には、仲介事業者は、自営型テレワーカーに対して報酬を支払うこと。
契約条件を変更する場合には、自営型テレワーカーと十分協議の上、(2)のイに掲げる事項の内容を確認し、文書又は電子メール等を交付すること。その際、自営型テレワーカーに不利益が生ずるような変更をテレワーカーに強要しないこと。また、自営型テレワーカーが契約条件の変更に応じない場合であっても、それにより不利益な取扱いを行わないようにし、当初の契約内容を守ること。
さらに、頻繁な仕様の変更により実質的に契約条件の変更となっている場合についても自営型テレワーカーに不利益が生じないようにする必要があること。
注文者である仲介事業者は、発注者の事情により仲介事業者と自営型テレワーカーとの間の契約条件が変更される場合には、自営型テレワーカーに不利益な契約条件の変更を強要しないようにするとともに、発注者の事情により、発注者と仲介事業者との間の契約条件が変更される場合には、その契約条件の変更により自営型テレワーカーに不利益が生じないよう、発注者と協議することが求められること。
なお、注文者等が法第2条第6項の「特定業務委託事業者」に該当する場合、自営型テレワーカーへの不利益な契約条件の変更の強要については、法第14条第1項第3号の業務委託におけるパワーハラスメントに該当することがあるほか、法第5条(特定業務委託事業者の遵守事項)の規定に違反し得る場合もあることに留意が必要であること。
成果物に瑕疵がある等成果物や役務の提供が不完全であったこと、その納入又は提供が遅れたこと等により損害が生じた場合に、⑵のイに基づきあらかじめ契約書において自営型テレワーカーが負担すると決めている範囲を超えて責任を負わせないようにすること。
* 損害の発生に関し、注文者にも責任がある場合は、責任分担を無視して一方的に自営型テレワーカーに損害賠償の責任を課す等、不当な負担を課すことは、あってはなりません。
1.注文者は、民法(明治29年法律第89号)の規定に基づき、自営型テレワーカーが契約に違反し、又は責めに帰すべき事由により契約を履行しない場合に自営型テレワーカーの同意を得ずに契約を解除できること。
2.注文者と自営型テレワーカーが合意により契約を解除する場合、例えば請負契約においては、既に仕事に着手した部分により利益が生じている場合は自営型テレワーカーへその分の報酬を支払うことを決定する等、注文者と自営型テレワーカーで十分に協議した上で、報酬等を決定すること。
* 民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)による改正後の民法の規定等も参考に、例えば請負契約の場合には既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その利益の割合に応じて、準委任契約の場合には既にした履行の割合に応じて報酬を支払うことが望まれます。
準委任契約には、成果物のないものとして、システムの運用保守、投稿・ウェブサイト等のコンテンツの監視、日程管理等の秘書業務等が考えられます。
* 例えば注文者の事情により契約を解除する場合等においては、自営型テレワーカーが既に履行の準備をしていた、当該契約を履行するために他の契約を断った等の事情がある場合もあることから、注文者に利益が生じていない場合であっても、自営型テレワーカーの状況等を勘案した上で、報酬等を決定することが望まれます。
3.1.のような契約違反等がない場合に、注文者が任意で契約を解除する場合は、注文者は、契約解除により自営型テレワーカーに生じた損害の賠償が必要となること。
4.注文者の責めに帰すべき事由以外の事由(災害等)で契約が解除される場合に生じた負担は、注文者と自営型テレワーカーで十分協議することが望ましいこと。
* 注文者と自営型テレワーカーで協議をする際には、注文者は契約解除によって自営型テレワーカーに生じる損害が過大にならないように留意することが望まれます。
同じ自営型テレワーカーに、例えば6月を超えて毎月1回以上自営型テレワークの仕事を注文している等継続的な取引関係にある注文者は、自営型テレワーカーへの注文を打ち切ろうとするときは、速やかに、その旨及びその理由を予告すること。
注文者等が法第2条第6項の「特定業務委託事業者」に該当し、自営型テレワーカーに6か月以上の業務委託(当該業務委託に係る契約の更新により6か月以上継続して行うこととなるものを含む。以下同じ。)を行う場合であって、契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む。以下同じ。)をしようとする場合には、当該注文者等は、災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合等を除き、自営型テレワーカーに対し、書面の交付、ファクシミリ又は電子メール等(以下「書面等」という。)により、少なくとも 30 日前までに、その予告を行う義務があること(法第 16 条第1項)。また、予告がされた日から契約が満了する日までの間において、契約の解除の理由の開示を当該注文者等に請求した場合には、第三者の利益を害するおそれがある場合等を除き、当該注文者等は、自営型テレワーカーに対し、書面等により、遅滞なく開示する義務があること。
* 打ち切る理由の内容としては、例えば、注文者が「業務量を縮小したため」等の注文者側に契約時には想定できなかったやむを得ない事由が生じた場合のほか、自営型テレワーカーが毎回のように「納期を守らないため」、「仕事の成果が求める水準を満たさないため」等の信頼関係を継続することが困難な理由が考えられます。
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