注文者は、自営型テレワーカーと自営型テレワークの契約を締結するときには、自営型テレワーカーと協議の上、自営型テレワーカーに対して、次の1.から12.までの事項を明らかにした文書を交付すること。
また、契約期間が一定期間継続し、受発注が繰り返されるような場合、各回の受発注に共通する事項を包括的な契約とし、納期等各回の個別の事項をその都度の契約内容として、それぞれ明示することも可能であること。
注文者等が法第2条第5項の「業務委託事業者」に該当する場合、当該注文者等は、自営型テレワーカー
に業務委託をした場合は、原則として、直ちに、契約条件のうち法に定める事項を書面又は電磁的方法によ
り自営型テレワーカーに明示する義務があること(法第3条第1項)
* 基本的な内容が明示されていない契約や、口頭による契約等は、契約後に疑義が生じ、紛争の原因となり得ますから、1.から12.までの基本的な事項について文書で明示しましょう。
* 契約の内容が自営型テレワーカーに一方的に不利になることや、自営型テレワーカーに予想できない不利益が生じることを防ぐため、注文者は自営型テレワーカーと協議の上、適正な契約条件を決定することが望まれます。
* ただし、その内容が定められないことについて正当な理由があるものについては、その記載は要しません。この場合には、注文者は、その事項が定められた後、速やかに、その事項を記載した文書を交付する必要があります。
なお、正当な理由とは、取引の性質上、委託した時点では具体的な必要記載事項の内容を定めることができないと客観的に認められる理由であり、例えば、ソフトウェアの作成の委託において発注者が求める仕様が確定していないため、正確な委託内容を決定することができない場合等が考えられます。
1.注文者の氏名又は名称、所在地及び連絡先並びに委託した自営型テレワーカーの氏名又は名称
* 契約条件明示に当たっては、(3)のイを参照しましょう。
2.注文年月日
3.注文した仕事の内容
4.報酬額、報酬の支払期日及び支払方法
5.注文した仕事に係る諸経費の取扱い
6.成果物の納期(役務の提供である場合は、役務が提供される期日又は期間)
7.成果物の納品先及び納品方法
8.成果物の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日(検収日)
* 検査が完了する具体的な年月日の代わりに、「納品後〇日」や「納品後〇日以内」等のように、納品日から起算した一定日数を示すこととしても差し支えありません。
9.契約条件を変更する場合の取扱い
10.成果物に瑕疵がある等不完全であった場合やその納入等が遅れた場合等の取扱い(補修が求められる場合の取扱い等)
11.成果物に係る知的財産権の取扱い
12.自営型テレワーカーが業務上知り得た個人情報及び注文者等に関する情報の取扱い
イの①から⑫までの事項は、文書の交付に代えて電子メール又は当該事項の掲載されたウェブページのURLをメッセージ上に記載する方法等(以下「電子メール等」という。)での明示によることとしてもよい。この場合、自営型テレワーカーが出力できるものであることが必要である。ただし、その場合でも、自営型テレワーカーから文書の交付を求められたときは、速やかに文書を当該自営型テレワーカーに交付すること。
* 自営型テレワークは情報通信機器を活用した働き方であり、電子メールや当該事項の掲載されたウェブページのURLをメッセージ上に記載する方法等で連絡することが一般的となっていることから、これらによる契約条件の明示も差し支えないとしたものです。
なお、ウェブサイト上のほかに、メッセージを送受信する機能を備えたアプリケーション等での明示も考えられます。ただし、自営型テレワーカーが出力できるものであることが必要です。また、自営型テレワーカーから文書での交付を求められたときは、速やかに文書を交付する必要があります。
注文者は、自営型テレワーカーとの契約条件をめぐる紛争を防止するため、イの事項を記載した文書又は電子メール等を3年間保存すること。
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