トラブル事例(3)
ディレクターとの人間関係

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第2章先方の落ち度の度合いが高い場合

事例3:ディレクターとの人間関係

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プロフィール
大学卒業後、ソフトウェア会社のSE(システムエンジニア)として5年間勤務したのち、出産を機に退職。しばらくして、これまでのスキルを生かし、家事の傍ら時間を見つけて仕事をしたいと思うようになり、SOHO歴3年。データ入力等をおもに行い、就業時間は週20~30時間。現状は、ボランティア活動として掲示板管理をしており、これが半分以上を占める。

データ入力から力をつけたいと思ったが、その当時SOHO間の競争が激しくて受注ができなかった。そこでまずは人脈をつくろうと、SOHO支援のボランティア団体等、コミュニティに参加した。自ら切り開いたネットワークの中から、ようやくエージェント経由で、仕事を受注するに至った。

ディレクターから「1週間後にこういった仕事が入りますので、どうですか」という問い合わせがあった。私は「請けます」と返事をした。でもその後、子どもの病気などで、きちんと仕上げられるかどうか不安になったので、その2日後、仕事が入る前に「先日請けますと言ったのですが、やはり子どもの体調が最近すぐれないので、苦しいのですが」と言ったら、「もうダメです。今抜けられると、私の信用が落ちるから、許容できない」と言われてしまった。一応考慮はしてもらい、最初の件数よりは少し軽くしてもらえたのだが、「自分の立場は弱いな」と感じた。

さらに、ディレクターから、いつも納品のタイミングをかなりせかされることに驚き、戸惑っている。あるとき、納期が明日の朝5時となっていても、今日の夜9時に納品されていなければ、それはもう遅いという。「早くしてください。ほかの方はもう出されていますよ」とすごい圧力がかかってくる。
そのため、いつもは早め早めに出すようにしていたのだが、その積み重ねが逆に自分の首を絞めた。子供の体調が悪かったことと、自分の調子がよくなかったことが重なり、完全に遅れてしまった。納期は朝の5時だったが、2時間後の7時ぐらいになってしまった。ディレクターから電話をいただいてから、「すぐにお送りします」と急いで納品した始末。

このようにトラブルはあるし、ストレスもあるが、結果的に報酬は安定し、仕事も回ってくる。しかしディレクターがいてくれて、采配してくれたほうが楽だということも否めない。人材手配や進捗管理は大変な仕事だ。その機能を果たしてくれるディレクターと仕事をすることで、助かっているところも多い。自分自身がスタッフを確保できるかどうかも自信がない。だからディレクターがその納品物を集めて、チェックをする作業時間を確保する必要があるので、管理を厳しくされてしまうのは理解できる。一方で「うちのグループを優先にして」と言われることは、精神的なストレスだが、エージェントとの関係でも、グループワークをする一員としてまず入っていたほうが、長期的には仕事が多くもらえるのではないか。

ディレクターの視点

ディレクター

私が取りまとめて請けている仕事の納期が、元々朝の10時なので、納品物の確認時間をぎりぎりにとって午前5時、となっていて、本当は前日にいただいて確認作業に入りたいのです。前日から納品をせかすなど、納品時間の管理が行き過ぎではないかと言われますが、私が皆さんの納品物をまとめて納品した後も、後工程に様々な人間が関わっているので当然のことです。
また、一度引き受けた仕事は、どんなに小さな仕事でもキャンセルは出来ないものです。グループワークの一メンバーであっても、責任感を自覚してほしいと思います。

請負業務のフロー

請負業務のフロー

先輩SOHOに聞く

先輩SOHO

自分は一人で仕事をしているのに向いている、と考えて在宅での働き方を始めようという方は多いと思います。実際の仕事は自宅などでの孤独な作業ですが、仕事全体を見渡すと、様々な人間関係の中で成り立っています。また、まずはSOHOエージェントから仕事を請けてみよう、という方も多いでしょう。

SOHOエージェントやディレクターとの協働

その場合、「立場が弱いな」と片づけないで、仕事を請けた時点で、責任は生じていることを認識しましょう。信頼関係が構築されていれば、お互いに柔軟に対応ができるようになりますが、そこに至っていない状態では、ただのわがままと受けとられてしまうこともあります。

また、グループワークをしている方は、専属的契約形態のプレッシャーを挙げることもありますが、それはSOHOエージェントやグループ、そして契約形態によって様々です。自らのビジョンを踏まえ、納得のいく関係構築を図りましょう。

納期管理

自営の請負業を始める際、「同じ業種の前職経験が役に立つ」といわれることの多くは、納期の時間管理に関連していて、全体の工程を経験上把握をしていることで、リスク回避ができたり、スムーズに仕事を進められることにつながるからです。そういった経験がない場合でも、相手の立場に立って物事を進めていく能力は、継続して受注していく上での鍵といえるでしょう。この場合、前日からディレクターの圧力がかかることが負担になっているようです。このディレクターの管理手法の問題があることも考えられますが、日頃から信頼関係を築いておけると、直前のこのようなバタバタは避けることができるかと思います。

また、仕事のスケジュールも、余裕を持たせて立てたいもの。仕事と家庭とのバランスを重視する場合は特に、子どもの状態は不確定要素の一つとしてリスク管理を心がけましょう。

SOHO受発注トラブル事例集

第1章「自らの落ち度の度合いが高い場合」

第2章「先方の落ち度の度合いが高い場合」

第3章「自らの強みを単体で生かしている場合」

第4章「自らの強みをコラボレーションで生かしている場合」

付録「SOHO受発注トラブル事例集FAQ」

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