自営型テレワークを行う際の所得の種類、所得金額の計算方法、収入と所得の違いについて理解しましょう。
所得の種類事業所得等の計算方法総収入金額所得金額
「3. 確定申告」にて、 所得税の確定申告について説明しましたが 、それでは、所得税はどのように計算するのでしょうか。所得税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に得た所得を基に計算します。所得税法では、所得をその性質に応じて事業所得、給与所得など10種の類型に区分し、それぞれの所得の区分に応じた計算を行ないます。自営型テレワーカーについては、一般的に事業所得または雑所得になります。
利子所得 | 預貯金や公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。 |
配当所得 | 株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。 |
不動産所得 | 土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付け(地上権または永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含みます。)による所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。 |
事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得になります。 |
給与所得 | 使用人や役員等が支払いを受ける俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得をいいます。 |
退職所得 | 退職により勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得をいいます。 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合には、山林所得ではなく、 事業所得または雑所得になります。 |
譲渡所得 | 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で一定のものをいいます。ただし、事業用の商品などの棚卸資産、山林、減価償却資産のうち一定のものなどを譲渡することによって生ずる所得は、譲渡所得となりません(注1)。 |
一時所得 | 上記利子所得から譲渡所得までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。 例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します(注2)。 (1)懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金 (2)生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金 (3)法人から贈与された金品 |
雑所得 | 上記利子所得から一時所得までの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。 例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。 (1)公的年金等 (2)非営業用貸金の利子 (3)副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など) (4)生命保険契約等に基づく年金 |
(注1)詳しくは、国税庁サイト:コード1460「譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」/コード1440「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」/コード1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」を参照ください。
(注2)これらの所得でも一時所得に該当しない場合があります。詳しくは、国税庁サイト:コード1490「一時所得」を参照ください。
自営型テレワーカーについては、一般的に事業所得または雑所得になります。事業所得及び雑所得(公的年金等に係るものを除きます。)の計算は次のとおりです。
総収入金額 - 必要経費 = 所得金額
自営型テレワーカーの場合、業務を完了し、注文者から受け取る報酬の金額の合計額が総収入金額となります。
(補足)
長期の請負契約で手付金や内金、前受金として受け取った金額は、その業務が完了した時点で収入金額となります。前受金として受け取った時点では、収入金額にはなりません。
「収入金額」からその収入を得るためにかかった費用(「必要経費」といいます。)を引いて残った額が「所得金額」です。 税金は、この所得金額を基礎に計算します。必要経費は「5. 必要経費とは」で細かく説明していきます。
自営型テレワーカーのための税務基礎知識
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