在宅ワーカーのためのキャリアデザイン

  1. ホーム
  2. アーカイブ
  3. 在宅ワーカーのためのキャリアデザイン
  4. (第4回)異業種・異職種への参画

(第4回)異業種・異職種への参画

異業種・異職種への参画が多くなってくる理由

在宅ワーカーの皆さんは、何年かすると複数の異なる仕事を手掛ける方が多くなってくるようです。
例えばデータ入力とテープリライター、ライターとDTPオペレーターなど。
中にはCADオペレーターとライターなど、本来であればまったく親和性のない世界へ参画する方もいます。

さて、なぜ、このように異業種・異職種への参画が多くなってくるのでしょうか? その理由について少し考えてみたいと思います。

  • 在宅ワーカーは、自宅で一人で行なう業務形態のため、将来について「このままの仕事でいいのか」という漠然とした不安を抱くことが多い。
  • 業界全体の技術革新のスピードが速く、自分の技術がすぐに陳腐化してしまうのではないか、という心理的な要因も大きいため、複数の職種を持つことがいわば「保険」になる。
  • 技術革新があまりにも速いが故に、企業側も正規雇用に限界を感じ、 新しい仕事をどんどんアウトソーシングをする傾向がある。そのため、新しい情報を追って、スキルを磨いていったところ、結果的に異業種・異職種の仕事の参画につながるケースもある。

私にとってベストマッチングな仕事とは?

さて、異業種・異職種への参画を考える際に、以下のことを整理してみましょう。

  • MUST---私にとって絶対必要なスキル・知識
  • WANT---私にとってあればうれしいスキル・知識
  • NOW NOT NECESSARY---私にとって今後、習得すればよいスキル・知識

この優先順位で考えていくと、「私にとって譲れない仕事はこれ、やってみたい仕事はこれ、将来必要とされる仕事はこれ」と整理して考えることができると思います。
自分のキャリアアンカーとも照らしあわせながら、闇雲に進出するということではなく、自分にとってのベストマッチングな異業種・異職種を選ばれるとよいでしょう。

Wワークの体験談から分析してみる

では実際に異業種・異職種へ参画された方の体験談をご紹介しましょう。
「MUST」「WANT」「NOW NOT NECESSARY」ということが、実体験をひもとくとよくわかると思います。

データ入力の仕事から在宅ワークの世界に入っていたKさん。
データ入力を始めて3年後にインターネットの求人情報からライターの仕事を見つけて、2年が経過しました。
現在はデータ入力4割、ライター6割の比率で仕事をしています。

データ入力を始めたきっかけは?

子供が4歳になって、少し自分の時間を自宅で持てるようになったかな、という時に、友人に声をかけられたのがきっかけです。
「1日3~4時間自宅で働いてみない?」って。
友人はデータ入力グループのリーダー役で、私は彼女から指示されたことをひたすらこなして入力するというスタンスでした。

それがなぜ、ライターの仕事をするようになったのですか?

もともと書くことがすごく好きだったんですよ。
でもそれをどういう風に仕事にしていったらいいのか分からなくて。

データ入力のチームの一員として3年ほど、いわゆる修行期間中は、入力がすごく速くなったし、生産性をあげるための裏技などを覚えることができたました。
またインターネットを使った情報の見つけ方や、在宅ワーカー同士の意見交換などのノウハウもずいぶん教わったような気がします。

仕事にも慣れて来たころ、少し時間的余裕ができたので、ライターの勉強を本格的にしたいと思って、本を読んだり6ケ月間ライター養成の通信教育を受けたり。
そのうちインターネット上の求人で「ライター募集」を見つけ、応募したのがきっかけです。

すぐに仕事に結びつきましたか?

最初は応募しても、なかなか色よい返事はなかったですね。
ところが、たまたま児童心理学のテーマのものがあったんです。
私、大学時代の専攻がそちらのほうだったもので、一通りの知識はあったんです。
それで運良く採用していただいて。ライターの場合は、書いた作品が実績になりますから、ひとつ作品が掲載されると売り込みもしやすいんです。その後、少しづつ依頼も増えて来ました。

なぜ、仕事をライター1本に絞らないんですか?

データ入力はチームでやっている良さがあって、お互いに励ましあったりもでき、楽しいんですよ。
5年もやっていると仕事への愛着もありますしね。
単価は厳しいのですが、ルーティンワークとして安定収入にはなっています。

ライターとしてもっと本格的にやっていきたいのは山々ですが、まだ受注が不安定で、とてもとても「ライターです」とは名乗れません。
今の状態をしばらく続けてみて、本当に自分が好きなライターの仕事だけでやっていけるのかどうか、見極めたいと思います。
子供も小学生になって手が離れてきたことだし、ライターに必要な編集の勉強も現在はしています。

«在宅ワーカーのためのキャリアデザインTOPに戻る

Page Top