2018年7月30日(月)開催の「自営型テレワーク活用時のトラブル防止のために(2018年度)in東京」のレポートです。
講師:一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員 中本 英樹 氏(プロフィール)
[概要]
「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」は、発注者と仲介業者、自営型テレワーカーの3者間におけるトラブルを防止するために制定されている。発注者の声によると、ワーカーと大小何らかのトラブルが起きた経験を持つ企業は約半数。トラブルのうちで最も多いのは、仕事の品質や納期について、次いでワーカーとの意思疎通である。「これらは、募集や契約時にガイドラインに沿ったやり方をすることで、ほとんどが事前回避できる」と中本氏は話す。
また、トラブルの解決策について、発注者側は、メールや電話で解決した、もしくは直接会って解決したとの回答が多い。中本氏は「発注者側は契約をする際に文書できちんとした契約書を出すこと、ワーカー側はその文書や、発注者とのメールのやりとりなどを保存しておくことが大切である」と、文書の大切さを強調した。
講師:株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤 香苗 氏(プロフィール)
[概要]
発注者とワーカーとのトラブルはコミュニケーション不足によるものが大きいので、電話や対面で話すことで解決に向かうことが多い。堤氏は「認識の違いでトラブルにならないように、具体的な文字や数字で表した契約書や、成果物の条件を残すことが大切」と話す。また、納期トラブルに対し「発注側が契約書に記す納期は、ただ日付を示していれば良いというわけではなく、データ着の時間もきちんと明記したほうがわかりやすい。さらに、ワーカーから大容量のデータを送る際には、きちんと受信ができたかどうかを発注者側に確認するようにして欲しい。あらかじめ、発注者側がどのくらいのデータ量であればダイレクトに送受信できるかを聞いておくとよい」と続けた。品質については「明記が難しい部分であるが、作業途中に仮納品という形でやりとりをするとトラブルになりにくい」と、対策について話した。
パネリスト:
注文者:東京反訳株式会社 ジョブスタイル推進部 主任 伊藤 彩映 氏
自営型テレワーカー:高山 里美 氏
オブザーバー:一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員 中本 英樹 氏
[概要]
パネルディスカッションは、発注側である東京反訳株式会社の伊藤氏と、自営型テレワーカーの高山氏、講師の中本氏を迎え、参加者からの質問に答える形で行われた。
様々な働き方がある中で、なぜ在宅での仕事を選んだのかという質問に、高山氏は「子ども達が学校に行っている間に何かできないかと思い在宅での仕事を始めた」と話した。家事との両立がしやすいというメリットがある自営型テレワーク。ワーカーには女性が多いのかという質問に伊藤氏は「東京反訳での稼働率は7:3で女性が多いが、最近は男性も増えている。知識を増やすための副業として、またリタイア後の仕事として働いている方もいる」と語る。
堤氏から「自営型テレワークを始めるにあたり、どのような会社を選んだらよいか」との問いに中本氏は「クラウドソーシング協会に登録している会社は、ガイドラインを遵守している。様々な仲介企業があるが、仕事をする中で疑問があればクラウドソーシング協会に意見をすることができる」とアドバイスした。
日本電信電話株式会社(NTT)入社。フリーダイヤル、PHS、インターネット等のICTを活用したサービスの普及・利用促進に長年携わる。
株式会社NTTドコモ入社。法人営業でのソリューション提案・サービス提供に携わる。現在は一般社団法人日本テレワーク協会に出向中。
家庭では男子三人を共働きの実践により育てた。
現在は週に1日の在宅勤務により生産性の高い働き方とワークライフバランスの向上を実践中。
神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業
大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。自らの出産・育児体験から、仕事と家庭のどちらも大切にしたい女性たちに、在宅でも仕事が出来て、キャリアを生かす働き方を出来ることを提案することを目的として「株式会社キャリア・マム」設立。
女性のキャリア・アップ支援」「主婦ビジネスの実態」「くちコミによるマーケティングやコミュニケーション術」「在宅ワーク」「ITビジネスの可能性 」等のテーマで講演多数
「第5回女性起業家大賞」「慶應SFCアントレプレナーアワード2006 プラチナ賞」受賞
著書に「おしゃべり力~主婦のホンネが常識を変える~」「マーケティングのしかけ」
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