2018年7月19日(木)開催の「自営型テレワークの活用の際に注意すべきポイント〜自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン〜(2018年度:第4回)in東京」のレポートです。
講師:一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員 中本 英樹 氏(プロフィール)
[概要]
雇用形態をとる会社員は労働基準法が適用されるが、業務委託で働く自営型テレワーカーはこれに相当しない。近年のクラウドソーシングの増加に伴い、契約条件などの実態や、契約文書のない口約束などの取引が増加傾向にある。中本氏は「自営型テレワーカーと企業、仲介業者の3者間におけるトラブルを防止するためにガイドラインができた」と話す。
2017年度には、このガイドラインに改訂部分が2点追加された。1つは、仲介業者が再発注する際に、ガイドラインが適用されることを明確化すること。2つ目は、仲介手数料や著作権の明示など、クラウドソーシングに発注する際に求められるルールを明確化すること。
中本氏は「3者間がルールに基づいて仕事を進めることが大切。自営型テレワーカーがたくさん活躍すれば、企業も活性化する。有名企業や名の知れた人でない個人のテレワーカーでも、きちんとした仕事をしていれば継続して仕事ができる仕組みになっている」と締めくくった。
講師:株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤 香苗氏(プロフィール)
[概要]
自営型テレワークに必要な物はパソコンとインターネット環境である。パソコンを家族と共有している場合には、情報漏洩を防ぐため自分のIDにパスワードをかけるなどの注意を払うことが必須となる。また守秘義務として、仕事の内容を家族などに話さないことも重要だ。堤氏は「自営型のテレワーカーであってもITスキルだけではなく基本的なビジネススキルは持つべき」と話す。営業で使用する名刺やスーツなどの身支度や、最低限のマナーやコミュニケーションスキルは、自営型テレワークに限らずどのような仕事をする上でも必要となる。
最後に「約束や納期は必ず守ることと、自己分析により自分のマイナス面をみつけてそれを回避できるようコントロールすることはテレワーカーとして働く上で重要である」と堤氏は発注者との信頼関係を保つ方法を語った。
パネリスト:
注文者:株式会社フリーセル 執行役員 松岡 雄司氏
自営型テレワーカー:砂川 真由子氏
オブザーバー:一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員 中本 英樹氏
[概要]
パネルディスカッションは、発注側である株式会社フリーセルの松岡氏と、自営型テレワーカーとして働く砂川氏、講師の中本氏を迎えて質疑応答の形で行われた。
企業側のニーズの多様化により、自営型テレワーカーに仕事を発注するようになった松岡氏。テレワーカーに発注するメリットを「クオリティや専門性、コスト面でパフォーマンスが十分に発揮できること」と話す。
初めての仕事はどのように見つけたのか、という会場からの質問に砂川氏は「もともと働いていた職場から初仕事はいただいた。離職する時に繋がりを持っておくことも大事」と語った。
中本氏は「クラウドソーシング上にはコンペ型とタスク型の仕事がある。どこから仕事を見つけていいかわからない場合はタスク型にチャレンジするプロセスもある」とアドバイスをした。堤氏は「クラウドソーシングの仲介会社が大きな会社だから大丈夫というわけではない。発注企業を見極めて仕事をしていただきたい」と締めくくった。
日本電信電話株式会社(NTT)入社。フリーダイヤル、PHS、インターネット等のICTを活用したサービスの普及・利用促進に長年携わる。
株式会社NTTドコモ入社。法人営業でのソリューション提案・サービス提供に携わる。現在は一般社団法人日本テレワーク協会に出向中。
家庭では男子三人を共働きの実践により育てた。
現在は週に1日の在宅勤務により生産性の高い働き方とワークライフバランスの向上を実践中。
神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業
大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。自らの出産・育児体験から、仕事と家庭のどちらも大切にしたい女性たちに、在宅でも仕事が出来て、キャリアを生かす働き方を出来ることを提案することを目的として「株式会社キャリア・マム」設立。
女性のキャリア・アップ支援」「主婦ビジネスの実態」「くちコミによるマーケティングやコミュニケーション術」「在宅ワーク」「ITビジネスの可能性 」等のテーマで講演多数
「第5回女性起業家大賞」「慶應SFCアントレプレナーアワード2006 プラチナ賞」受賞
著書に「おしゃべり力~主婦のホンネが常識を変える~」「マーケティングのしかけ」
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