2018年5月28日(月)開催の「自営型テレワークの活用の際に注意すべきポイント〜自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン〜(2018年度:第1回)in東京」のレポートです。
講師:一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員 中本 英樹氏(プロフィール)
[概要]
「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」の解説を行った。ネットワーク上で行う自営型テレワークにおいて多くみられるのは、品質や納期についてのトラブル、次いで意思疎通の問題である。「これを防ぐには、ガイドラインに沿った契約をしておくことが大切である」と中本氏。
請負契約は人と人との契約であるため、ガイドラインの基礎には民法が適用される。企業側が「募集時に明示する事項」は6つ。発注内容、成果物の納期予定日、業務量に合わせた報酬予定額と支払期日・支払方法、諸経費の取り扱い、知的財産権、問い合わせ先である。
中本氏は「発注者である企業側が、注文する内容をきちんと把握していることが大切。成果物の品質は言葉で表しにくいため、契約段階で言葉を積み重ねることが重要なポイントとなります」と語った。
講師:株式会社キャリア・マム 代表取締役(CEO) 堤 香苗氏(プロフィール)
[概要]
「注文者から委託を受け、成果物を提供することで報酬が支払われる「自営型テレワーク」は、自己責任が大きく、高い意識をもち約束事を必ず守らなければいけない仕事。「自分に自営型テレワークという働き方ができるのかどうか、きちんと自己分析をし覚悟を持つことが大切」と、堤氏は話す。また「システム利用料や機材などの高額な費用を請求したりして仕事を紹介、斡旋するというような在宅ワーク詐欺もある」と注意を促した。堤氏は「疑問点や不明瞭な事項は、企業側に質問することが大事。企業側もきちんと対応するようにしていただきたい」と続けた。
自営型テレワークに必要なスキルとしてITスキル、ビジネスマナー、コミュニケーションスキルが挙げられた。「メールなどの文字ベースでのコミュニケーションやビジネス文章に普段から触れていくようにして欲しい。常に学んでいくことが力になっていく」と締めくくった。
パネリスト:
有識者:一般社団法人日本テレワーク協会 中本英樹 氏(プロフィール)
注文者:ジェイグラブ株式会社 代表取締役 山田彰彦氏
自営型テレワーカー:相馬 有紀氏
[概要]
発注側である山田氏と、受注側である相馬氏を迎えたパネルディスカッションは、参加者から集められた質問シートに沿って行われた。
企業がワーカーへの発注を躊躇する理由の1つに、情報のセキュリティが心配という声がある。「発注側は、ワーカーにどの程度のセキュリティを期待しているのか」という質問に、山田氏は「ワーカーに渡す情報は自社で精査している。情報漏れを防ぐには発注側が気をつけることが最も大事」と話す。対して相馬氏は「ウイルス対策ソフトを入れるのはもちろん、業務に必要な情報以外は受け取らないこと。受け取った情報は業務が終わり次第自分のパソコンから破棄する、また破棄したことをきちんと企業側に伝えることも大切」と語った。中本氏は「セキュリティ面でも、気をつけるべきなのはむしろ企業側。メールの誤送信などは送信時、確認やワンクッション置くことで防ぐことができる」と話した。
日本電信電話株式会社(NTT)入社。フリーダイヤル、PHS、インターネット等のICTを活用したサービスの普及・利用促進に長年携わる。
株式会社NTTドコモ入社。法人営業でのソリューション提案・サービス提供に携わる。現在は一般社団法人日本テレワーク協会に出向中。
家庭では男子三人を共働きの実践により育てた。
現在は週に1日の在宅勤務により生産性の高い働き方とワークライフバランスの向上を実践中。
神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業
大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。自らの出産・育児体験から、仕事と家庭のどちらも大切にしたい女性たちに、在宅でも仕事が出来て、キャリアを生かす働き方を出来ることを提案することを目的として「株式会社キャリア・マム」設立。
女性のキャリア・アップ支援」「主婦ビジネスの実態」「くちコミによるマーケティングやコミュニケーション術」「在宅ワーク」「ITビジネスの可能性 」等のテーマで講演多数
「第5回女性起業家大賞」「慶應SFCアントレプレナーアワード2006 プラチナ賞」受賞
著書に「おしゃべり力~主婦のホンネが常識を変える~」「マーケティングのしかけ」
Page Top