2017年9月28日(木)開催の「在宅ワーク発注企業向け説明会(2017年度)」のレポートです。こちらのセミナーの動画と配付資料については下記のボタンよりご覧いただけます。
講師:一般社団法人 日本テレワーク協会 中本 英樹氏(プロフィール)
[概要]
在宅ワークの導入・活用に寄与する活動を行う日本テレワーク協会の中本氏を講師に迎え、企業が在宅ワーカーを活用する際のメリットについて話を伺った。
中本氏は「在宅ワーカーに仕事を発注することで短期間に多くのコンテンツを作ることができる。また、繁忙期に仕事を委託し、企業側の負担を軽減させることも可能である」と話す。発注を経験した企業は、安さよりも成果物の品質、ワーカー個々のアイデアに満足しているという声が多い。中本氏は「在宅ワーカーとうまく手を結び、個々のスキルをのばすことで企業にもメリットが生まれる。」と今後の展望を語った。
講師:株式会社キャリア・マム 代表取締役(CEO)堤 香苗氏(プロフィール)
[概要]
堤氏からは、発注側である企業が在宅ワーカーを活用する際、どのようなことに気をつけるべきかの説明があった。
「厚生労働省のガイドラインに沿った最低限のルール作りをして欲しい」と、堤氏は話す。知的財産権や個人情報に関しての安全管理、成果物にやり直しが発生した場合の報酬の取り決め、そして交通費や資料代など、きちんと書面で記すことによってトラブル回避につながるという。
また、ワーカーの健康に配慮した発注にも心がけて欲しいと続けた。「急な発注量の増減や報酬の減額など、契約条件の変更を一方的に行うのはトラブルのもと。納期の条件が譲れないのであれば、発注金額で報いていくなどの対処も必要」と、在宅ワーカーとの接し方についても言及した。
司会:株式会社キャリア・マム 代表取締役(CEO)堤 香苗氏(プロフィール)
パネリスト:株式会社トリトメ 取締役CMO 美崎弘子氏(プロフィール)、在宅ワーカー 相馬有紀氏
[概要]
在宅ワーカーを活用してウェブサイトの運営などを請け負う株式会社トリトメ取締役CMOの美崎氏と、システム開発やECサイトの構築を在宅で行う相馬氏をパネラーに迎え、パネルディスカッションが行われた。
美崎氏は、「ITエンジニアが不足しており、人員を補うために在宅ワーカーを活用したのがはじまり」と、発注のきっかけを話した。当初、会ったことがない方に仕事を任せるのは不安であったという美崎氏。現在では「Web会議などのツールを用いてコミュニケーションは問題なくとれる。スキルが高い方が多いので助かっている」と、対面でなくとも差し支えないことを語った。
一方、子育て中に、システム開発の仕事が在宅でできると知り、在宅ワーカーとなった相馬氏。「対面の仕事とは違い受注する際の細かいニュアンスが伝わりにくい。気になることはチャットなどで逐一報告相談するようにしている」と、仕事を円滑に進めるために気をつけていることを語った。また、企業側には「在宅ワーカーには子育て中の方が多いので、まず働ける時間を確認し、すり合わせを行うことが必要」と、在宅ワーカーを活用する際のアドバイスを話した。
早稲田大学第一文学部卒業。自らの出産・育児体験を通じて得た経験をもとに、仕事と家庭をどちらも大切にしたい女性たちに、自宅または自宅周辺におけるテレワークやワークシェアという形態で、キャリアをいかす新しい働き方を提案する「株式会社キャリア・マム」を設立。10万人の主婦会員ネットワークをデータベース化した在宅ワークモデルを構築。2006年 第5回女性起業家大賞 グロース部門優秀賞、2015年 テレワーク推進企業等厚生労働省大臣表彰 特別奨励賞、2016年 東京都女性活躍推進大賞 個人賞。
一般社団法人日本テレワーク協会理事、中小企業政策審議会委員(中小企業庁)、財団法人 日本SOHO協会 評議員、「カエルの星」選考委員会委員(内閣府 男女共同参画局)、多摩市男女共同参画社会推進協議会 委員(多摩市)等、男女共同参画社会にかかる委員や講演を数多く担当。
日本電信電話株式会社(NTT)入社。フリーダイヤル、PHS、インターネット等のICTを活用したサービスの普及・利用促進に長年携わる。
株式会社NTTドコモ入社。法人営業でのソリューション提案・サービス提供に携わる。現在は一般社団法人日本テレワーク協会に出向中。
家庭では男子三人を共働きの実践により育てた。
現在は週に1日の在宅勤務により生産性の高い働き方とワークライフバランスの向上を実践中。
2015年大手ITシステム会社より独立。その年、初期メンバー3名とともにITベンチャー企業、株式会社トリトメを創業する。Webサイトやスマホアプリのシステム開発、各種セミナーやIT教育などを展開するなかで、在宅ワーカーを積極的に活用。性別や業種に関わらず、すべての人が柔軟に働ける社会を目指している。
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